活動報告

農林水産

令和2年度当初予算 総括質疑~「食の京都」について~

●総括質疑のご報告!
令和2年度当初予算特別委員会において自民党議員団を代表して総括質疑の機会をいただきました。
①新型コロナウイルス感染症対策について ②「食の京都」について ③「京都ブランド米」新展開事業について ④丹後地域の高校教育について 質問を致しました。
この内、【②「食の京都」について】質問と答弁内容をご報告致します。

西脇知事が本部長となる観光戦略総合推進本部を立ち上げられ、「京都府観光総合戦略」を策定されました。
「食の京都」は海・森・お茶・竹の里に続く、大きな取組であり、大変期待している事業です。
京都府下にしっかりと経済効果が波及するような取組なるように要望しました。

また、私と西脇知事とのやりとりを京都新聞が掲載していただきました。
ぜひご覧ください。

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(質問)
食の京都についてお伺い致します。
京都府では、府・市町村・地域が一体となって、平成25年からの海の京都事業を始めとした、「もうひとつの京都プロジェクト」の取組みにより、府内各地の観光指標は順調に上昇し、民間資本の新規投資や地域主導によるイベントの開催に結びつくなど、着実に観光地域づくりが進んでいると実感しています。
その一方で、平成27年に開催された海の京都博など「もうひとつの京都」のターゲットイヤーが終わり、その効果を各地で持続させるためには、取り組むべき多くの課題があると考えております。京都市を除く府域の状況を見てみますと、例えば、観光入込客数は府全体の約37%を占めるまでになりましたが、観光消費額は約5%に留まっていること、経済効果が地域産業に十分波及していないこと、などがございます。
このような観光における多様な課題に対応するために西脇知事ご自身が本部長となり観光戦略総合推進本部を立ち上げられ、「京都府観光総合戦略」を策定されました。

その戦略には、単に観光客を呼び込むためのものではなく、ものづくりや農林水産業など、観光を幅広い産業の土台となる総合政策として考えることが必要だとされており、私も、このような考え方が絶対に必要だと思いますし、そのためには府域横断かつ分野横断での取組みを、部局が緊密に連携し推進していただきたいと考えております。
今回質問致します、「食の京都」の取り組みはまさにそのような取り組みであり、府内各地に「食」を通して観光客が周遊されることを期待しているところであります。

そこで、具体的な施策について数点質問致します。

「食の京都」と命名されましたように、京都府域には北は丹後から南は南山城まで多くの素晴らしい食材があり、それぞれに一番美味しい「旬」の時季があります。そして、食材の旬な時期にその地に訪れていただくことが観光客の満足度を高められると私は思いますが、この取り組みを進めるにあたっての戦略を教えて下さい。

次に、情報発信の方法について質問します。それぞれの地域には食以外にも豊富な観光資源があります。例えば、文化財や桜、紅葉、祭りなど時期によって見ごろを迎えるものがあり、これら観光資源にもいわゆる「旬」があります。食の京都との組み合わせで相乗効果を図れるのではないかと考えますが、このようなことを、国内外の観光客に知っていただくには、この旬を捉えた、まさしく、タイムリーであり、戦略的な情報発信が求められるのではないでしょうか。
パンフレットの設置やホームページでの情報発信だけでは、いわゆる受け身であり、戦略的な情報発信とはいえないと思います。
現在行って頂いている、旅行商品を造成し、それをメディアで発信するためのテレビや雑誌などへの働きかけはもちろん重要ですが、もう一歩踏み込んだ戦略を考えていただきたいと考えております。
一般的に企業では、情報を発信するときには、顧客データを蓄積し、リピーター獲得のためにDMなどを送りますが、例えば、DMOごとに地域の方々と連携し、顧客のデータベースを作成し、直接コミットする仕組みを構築することも大切なのではないでしょうか。お考えをお聞かせ下さい。

次に、推進体制について質問します。効果的に情報を発信できて多くの観光客がその地を訪れたとしても、提供できる店舗がなかったらもともこもありません。旬の時期に多くの店舗がその食材を「食の京都」という統一コンセプトのもとに提供している、またその提供のために生産者も、流通も、他の店舗も協力するなど地域全体がチームとなって「食の京都」、「もうひとつの京都」を盛り上げる体制を整えることが大切だと考えますが、お考えをお聞かせください。

次に、昨年11月にオープンした「丹後TABLE」について質問します。
「丹後TABLE」は、丹後地域の魅力を知っていただくために、京都の台所、錦市場に開設されました。非常にいい取り組みとは思うのですが、コロナウイルスの影響もあるのか、十分に活用されているとは言いがたい状況と考えますが、現状や課題をどのように認識されているのか、また、今後の展開をどのように考えているのかお聞かせください。

 (答弁)
「食の京都」についてでございます。

 京都府では、これまで「海・森・お茶の京都」や「竹の里・乙訓」といったエリア毎に地域の特色を活かした観光振興に取り組み、この6年間で府域の観光消費額が約1.4倍に増加するなどの成果がございました。

 しかしながら、府域全体への周遊を図るといった点では課題が残っており、このため、新たなコンセプトで誘客を図ることが必要と考え、「食」は、リピーターの確保にも繋がる強力な観光資源であること、府内各地には、四季折々の魅力的な食材が多数あること、食に関連する産業は裾野が広く、経済効果が大きいことから、京都市を含む府域全域を「食」という共通のテーマでつなぎ広域周遊を促進する「食の京都推進事業」の関連予算を提案をしております。         

  具体的には、これまで海の京都エリアで取り組んできたノウハウを活かしながら府域で「食の京都LABO」を展開し、地域の旬の食材を活かした魅力的なメニュー開発を行います。
 また、農林水産品の直売所にイートインスペースなどを備えた「食の京都TABLE」を府域各地に整備するなど、地域の食材が食べられる場の拡大に取り組むとともに、「食」をテーマとした広域周遊ツアーの造成を目指し、国内外の旅行会社等へ提案をしてまいります。 

 次に情報発信につきましては、雑誌やTVでの情報発信が効果的であることから、地元ライター、発信力の強いメディアに参画いただくプラットフォームを新たに構築をし、京都の食関連情報を一元的に発信をいたします。また、地域の食に関する総合的な発信サイト「らし」の充実や、自然景観や祭り等の地域の文化と食の魅力を組み合わせた情報発信なども行ってまいります。
 また、お茶の京都DMOにおいて、顧客のデータベースを活用し、ツアー商品等を案内したことで誘客に結びついた事例もありますことから、他のDMOにも拡大してまいりたいと考えております。

 こうした様々な取組をオール京都体制で戦略的に進めるためには、京都市をはじめ各DMO、農林水産団体、飲食関連団体にも参画いただき「食の京都」を推進する体制を構築し、食をキーワードに府域全体の周遊を促進する取組を展開してまいりたいと考えております。

 次に、丹後の食の魅力を発信するアンテナショップとしてスタートした「丹後TABLE」は、当初は、知名度不足もありましたけれども、誘客イベントや外国人スタッフの登用などの努力によりまして来店者は徐々に増加に転じているというふうにお伺いをしております。私は、この「丹後TABLE」を、食をテーマにした広域観光の先行モデルと捉えており、こうしたアンテナショップ機能に加えまして、農業者等が開発した商品の試験販売やバイヤーとの商談の場の提供、更には、旬の食や観光情報の発信による丹後への誘客や周遊の起点になることを期待をしております。
  今後、こうした取組を「食の京都TABLE」として府域と市域に展開するなど、「食の京都」の取組を通じまして、地域の活性化に繋がるように推進してまいりたいと考えております。

(答弁への返答)
ご答弁いただきました。ぜひ戦略的な情報発信と食の京都を支える推進体制をしっかりとつくっていただき京都府域全体に経済効果がいきわたるよう宜しくお願い申し上げます。

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