活動報告

産業振興

令和5年6月定例会 一般質問「産業創造リーディングゾーンについて(丹後テキスタイルパークの取り組みについて)」

●令和5年6月定例会 一般質問「産業創造リーディングゾーンについて(丹後テキスタイルパークの取り組みについて)」

6月26日に行われました一般質問にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
●産業創造リーディングゾーンについて
・サステナブルパークとしての取り組みが示されている宮津エネルギー研究所跡地について
・丹後テキスタイルパークの取り組みについて
●府北部地域の人手不足への対応について
・子育てにやさしい職場づくりについて
・高校生のUターン就職の促進について

今回は、「産業創造リーディングゾーンについて(丹後テキスタイルパークの取り組みについて)」の質問を掲載させていただきます。

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(質問)

次に、産業創造リーディングゾーンの丹後テキスタイルパークの取り組みをお伺いいたします。
これまで京都府では、コロナ禍や物価高騰・資源高により厳しい状況にある織物事業者を支援するため、シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアムの事業として、西陣・京友禅・丹後の産地連携を進め、新商品開発や海外への販路開拓を支援するほか、生産基盤への支援など大変心強い支援をいただいております。
そして、今回の補正予算でも、昨年の9月補正予算に続き、燃料費の高騰に対する支援事業を行っていただけることに感謝いたします。

新型コロナウイルス感染症も五類感染症になり、少しずつ経済も動きだしておりますが、丹後織物工業組合の白生地の生産量をみておりますと、コロナ禍前の8割程度と、依然厳しい状況が続いております。
特に、丹後地方の生産体制の中心である「出機織り」の事業者には大変厳しく、廃業される事業者も出てきております。
この「出機織り」の事業者の多くは、家族経営であり、材料を支給され、「加工」のみを受託する、内職仕事に近い業態になっております。そのため、不安定な低工賃労働に甘んじており、若手が事業継承を行う事が出来ず、平均年齢が高齢化しており、高度な織技術が失われようとしている状況にあります。
その様な厳しい状況ですが、丹後織物工業組合や事業者の方々もコロナ禍の4年近くの間、課題を克服するために、様々なチャレンジをされております。

例えば、和装だけでなく、インテリアや建材業界向けの商品開発や写真を織物で表現し御朱印帳などを商品化したり、新たにECサイトやショールームをオープンされたりする事業者などがおられますし、織機に欠かせない「機料品」が不足したため、西陣・丹後の事業者の方々が連携し、安定確保へ向けた体制を構築されようとしております。

加えて、丹後織物工業組合では産業振興プランを策定されました。
このプランの中では、時代と共にきもの離れが進み、今ではその存続が危ぶまれおり、きもの市場だけに依存する状況を改め、これまで培ってきた織技術や関連技術を活かして、ファッションやインテリアなどの成長するグローバルな市場を目指すことが不可欠であるとし、「世界のテキスタイルクリエーション産地」を目指すとして、将来目標や戦略などが示されております。

まさに、丹後織物産地では、新商品開発や海外への販路開拓などを行い、付加価値をつけて販売する仕組みを構築することで、若手に事業継承が行われる好循環を生み出していかなくてはなりません。

そこでお伺いいたします。
産業創造リーディングゾーンで示されている丹後テキスタイルパークでは、具体的にどのような事業を行い、丹後織物産地の活性化へ向けた取り組みを進めようとされておられるのかご所見をお聞かせ下さい。また、丹後織物産地の生産を支えるためにも、織元による生産体制の内製化や廃業される方からの織機の継承・技術の伝承への支援が欠かせないと考えておりますが、お考えをお聞かせ下さい。

(答弁)

丹後テキスタイルパークについてでございます。 

丹後地域にはすでに織物事業者の集積があることから、この強みを活かして新時代の織物産地として発展させるリノベーションを推進するため、新たにオープンイノベーションの促進と拠点整備を一体的に取り組む必要があると考えております。

 オープンイノベーションについては、新たな知見や人材を取り込んでいくことが重要であり、西陣織や京友禅との3産地の連携を強化し、着物の海外展開の可能性を広げるHAORIコンペの実施や、建材商社や大手住宅メーカーなどの異業種との協同などにより、新しいものづくりを進めているところです。

 また、ものづくりには生産体制の再構築も不可欠であることから、織機の導入や継承、内製化等に対する支援を行うとともに、製織や存続が危惧される整経などの技術を学ぶ人材育成のための研修にも取り組んでおります。

 拠点整備については、精練加工を行う丹後織物工業組合の加工場を国内外から人が集まる施設とするため、ショールームやスタジオ、ショップなどの整備、交流機能の拡充を支援しているところですが、将来的にはデザイナーやクリエイターが集い、新たな発想による商品開発が行われる拠点にしたいと考えております。

 そのため、今年度から、海外のファッションやインテリアのクリエイターが長期間滞在し、多種多様な織物技術を有する丹後の職人等と共同して新たな発想や感性による商品開発を行うクリエイター・イン・レジデンス事業を実施することとしております。    

 こうした取組を通じて、丹後地域が世界を魅了するテキスタイル産地となるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

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