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教育

令和5年9月定例会決算特別委員会 総括質疑「魅力ある府立高校の推進と教員確保について」

●令和5年9月定例会決算特別委員会 総括質疑「魅力ある府立高校の推進と教員確保について」

10月27日に行われました決算総括質疑にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
①救急医療体制と府立医科大学について
②地域公共交通の利用促進と維持確保について
③魅力ある府立高校の推進と教員確保について

今回は、「魅力ある府立高校の推進と教員確保について」の質問を掲載させていただきます。

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(質問)

それでは次の質問に移ります。魅力ある府立高校の推進と教員確保についてであります。
まず、魅力ある府立高校づくりについてお聞きします。

府立高校の在り方ビジョンでは、府内公立中学校卒業者数は減少傾向にあり府全体で、令和 15年度には令和2年度比で約18%減少となる見込みであり、その割合は北部地域ほど顕著です。
少子化が進む地域では、部活動などが制約されたり、授業や教育内容などの特色によっての学校選択が出来づらい環境におかれたりと教育環境の維持・向上が大きな課題となっていきますが、それに加え、私が危惧しているのが、日本全国で少子化が進んでいることで、都市部の高校も生徒数確保に必死になっており、以前にも増して北部地域の中学生にもスカウトの目が向けられ、高校進学時に地元を離れる子が増えているのではないかいうことであります。

この現象は、そもそも通学圏内の高校に魅力があるのかという根本的なところが問われているように思います。

私の地元で学舎制が導入された宮津天橋高校では、本年3月に1期生が卒業されました。
学舎制が導入され、最初は不安があったかと思いますが、先生や生徒の皆さんは大変頑張っていただいており、例えば野球では、昨年の秋の大会で「宮津天橋・丹後緑風」連合チームとして京都大会でベスト8、その効果もあり、両校に新入部員が加わり、この夏はそれぞれ単独出場を果たしました。その他でも、ウエイトリフティング競技で全国優勝する生徒、探究活動を披露する全国大会で優秀な成績を収めた生徒もいます。加えて、先生方には就職先の開拓にも力を入れていただいていると聞いております。
先に述べた野球の事例が顕著でありますが、スポーツでも勉学でも就職先でも実績があがり、魅力が伝われば地元の高校に生徒は集まってくると確信しております。

そこでお伺い致します。
それぞれの地域で各校の特色や役割を明確にし、幅広いニーズに応えられる環境を整えることが大切でありますが、魅力ある府立高校をどのように創っていこうとされておられるのか、ご所見をお聞かせ下さい。

また、魅力ある学校を創っていく上で学校設備も重要な要素であると考えます。これまでからも設備更新などに取り組んでいただいておりますが、老朽化が進んでいる学校施設・設備がまだ多く残っていると認識しております。今後の施設・設備の整備方針についてもお考えをお聞かせ下さい。

 

次に、教員確保の取組についてお聞きします。
魅力ある学校を創っていくための基本は、教員確保であると考えております。ですが、全国的にも教員の志願者数の減少や採用試験の倍率低下が課題となっており、京都府においても、2011年をピークに志願者数は減少傾向にあります。
講師未配置の状況は、9月1日時点では、43人で、うち担任未配置は20人となっております。昨年度より状況は改善されているとお聞きしておりますが、大変厳しい状況に変わりはありません。教員の志願者数の減少の大きな要因は、長時間労働が常態化している職場環境にあるといわれており、2021年度に精神疾患を理由に離職した公立小中高校の教員は953名で過去最多だったと文部科学省が発表しました。

その一方で、創意工夫により2024年度の試験の志願者数が増えた自治体もあります。

そこでお伺い致します。
教員不足が深刻である府北部地域への対策として、奨学金返還支援制度を創設いただくなど対策を講じていただていることに感謝をしておりますが、教員の志願者数の減少に歯止めをかけるためには、現在取り組んでいただいている教員の働き方改革、就労環境の改善はもとより、採用試験の工夫、教員を養成する仕組みの構築など、幅広い対策を講じる必要があると考えますが、ご所見をお聞かせください。

(教育長答弁)

中島副委員長の御質問にお答えいたします。

魅力ある府立高校づくりについてでございます。
子どもたちは、グローバルな視点で世界で活躍したい、部活動を頑張りたい、また、高校生活を通じ夢を見つけて希望する進路に進みたいなど様々な思いをもって高校選択をしてくれております。
少子化をはじめ社会情勢が変化する中にあっても、こうした思いやニーズに応え、子どもたちの夢を叶えるためには、副委員長御指摘のとおり、地域において各高校の特色や役割を明確にし、子どもたち一人一人の興味・関心や能力・適正に応じて、個々の可能性を最大限に引き出す教育環境を整える必要がございます。

具体的には、
・府立高校ならではのスケールメリットを生かし、ICTを活用した学校間連携による魅力の相乗効果を図ること
・大学や企業等と連携・協働した最先端分野の探究学習の充実
・海外との交流や留学機会の拡充
・地域とのつながりを生かした教育の推進
・府立高校が拠点となったスポーツや文化・芸術活動の充実
など、多彩な学習や活動機会の提供が必要となります。

 こうした教育内容の魅力化を推し進めるため、それぞれの地域の事情に応じて、学校や学科の在り方を見直すことにより、どの地域においても希望する学びや活動を実現し、子どもたちから選ばれる魅力ある府立高校づくりを進めて参ります。

また、学校施設の整備につきましては、現在、「京都府教育施設個別施設計画」に基づき、各学校施設の内部・外部改修、トイレの洋式化、空調設備の更新など長寿命化改修を計画的に進めているところでございますが、今後は、魅力ある府立高校づくりの視点も踏まえた学校施設・設備の整備にも取り組んで参ります。

次に、教員確保の取組についてでございますが、魅力ある学校を創るためには、「教育は人なり」という言葉が示しますとおり、専門性の高い優秀な教員を確保することが重要でございます。

そのため、奨学金返還支援制度や採用試験における大学推薦枠の拡充等の取組、インターンシップなど大学生に対する教員養成の取組に、高校生向けセミナーの実施や、高校生が小・中学生に勉強を教える活動等も加え、より早い段階から教職の魅力を伝えることにより、多くの方に京都府で教職を目指していただけるよう取り組んで参ります。

さらに、働き方改革による働きやすい環境づくりの推進や、教員免許を所有する社会人の方への研修機会の創設、実施時期を含む教員採用選考試験の在り方の検討等、短中長期的な見通しをもって可能な限りすべての手段を講じ、総合的に取り組むことにより、教員の確保に努めて参ります。

府教育委員会といたしましては、すべての子どもたちが夢や希望を持ち、未来に向かっていきいきと学ぶことができる教育環境づくりに全力で取り組んで参ります。

 

 

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