活動報告

医療

令和5年9月定例会決算特別委員会 総括質疑「救急医療体制と府立医科大学について」

●令和5年9月定例会決算特別委員会 総括質疑「救急医療体制と府立医科大学について」

10月27日に行われました決算総括質疑にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
①救急医療体制と府立医科大学について
②地域公共交通の利用促進と維持確保について
③魅力ある府立高校の推進と教員確保について

今回は、「救急医療体制と府立医科大学について」の質問を掲載させていただきます。

=============================
(質問)

自民党議員団の中島武文です。
通告に従い質問しますので、積極的なご答弁を宜しくお願い致します。

はじめに、救急医療体制と京都府立医科大学についてであります。
まず、救急医療体制についてお聞きします。

高齢化や地域包括ケアの推進等により在宅で医療を受ける患者が増えるなど、環境の変化に対応した救急搬送体制を構築するべく、令和4年度から救急搬送体制の検討を進めていただいております。
救急医療体制は、地元医師会などが設ける休日夜間急患センターといった軽症者向けの初期救急、入院を要する二次救急、重篤患者を受け入れる三次救急に分かれ、救命救急センターなど医療圏ごとに各病院が機能分担をしながら、消防機関と連携し、救急医療を担っていただいております。
京都府の救急搬送の所要時間については、全国でもトップクラスの短さであるものの、府内の救急出動件数はここ10年間で3.5%(約4500件)増加していることや私の住んでいる府北部地域は中山間地も多く、南北に長い京都府でありますから、地域別の課題も多くあるのではないかと推察しております。
その様な中、救急搬送体制を検討する中で、救命救急センターを増やすとともに、大規模災害や大事故に備えて高度救命救急センターを設ける必要性があると判断されたとお聞きしております。
現在、府内には救命救急センターは6カ所の体制を構築いただいておりますが、これを契機として府内の救急医療体制が充実されることは大変喜ばしいことだと感じております。

そこでお伺い致します。
地域ごとに救急医療体制についての課題が違うと推察しておりますが、課題や対策についてどのような検討がなされてきたのでしょうか。また、病院機能の充実を図っていくとのことですが、今後、救急医療をどのように充実されていくお考えなのか、ご所見をお聞かせください。

次に、府立医科大学についてお聞きします。

本年9月にイギリスの教育専門誌が世界大学ランキングを発表し、ランキングの上位に日本の大学が23校入りました。その内の3校が公立大学であり、その中に府立医科大学がありました。
国内外で評価されている府立医科大学は、2022年に創立150周年を迎えられ、これまで京都府の医療を支える人材を輩出し続けていただいており、また、附属病院は第一種感染症指定医療機関、総合周産期母子医療センター等の京都府の医療を支える上での大きな役割を果たしていただいております。新型コロナウイルス感染症への対応でも、京都府や医師会などと連携いただき、多くの命を救っていただいたことに、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
今、申し上げました通り、府立医科大学には、大学としての人材育成や研究機関としての役割の他、附属病院や北部医療センターなど地域の医療を担う病院としての大きな役割を担っていただいております。

本年6月には岸田総理から、知の基盤と人材育成の強化のために、大学ファンドと地域中核・特色ある研究大学の振興を両輪として、研究力強化に取り組む方針が示されました。
文部科学省から地域中核・特色ある研究大学強化促進事業についての公募が行われ、府立医科大学も手を挙げられたとお聞きしております。
採択の決定は12月下旬ころになるとのことで、ハードルもかなり高いようでありますが、是非、府立医科大学の機能強化のために、京都府としてもバックアップいただきますようお願い致します。

そこでお伺い致します。
これからの150年も京都府の医療を支えていくために、府立医科大学はどのような大学を目指していくのでしょうか。ご所見をお聞かせください。

次に、府立医科大学及び北部医療センターの整備についてもお聞きします。
京都府の医療を支えていくために、現在、府立医科大学及び北部医療センターの整備を段階的に進めるための検討が行われているとお聞きしておりますが、施設整備に向けた検討状況についてもお聞かせください。

(答弁)

 中島副委員長の御質問にお答えいたします。

府内の救急医療体制についてでございます。 

府内の救急医療体制は、全国と比較して救急搬送時間が短く、搬送が困難な事案の割合も低い状況にありますが、搬送時間に地域差があることや、搬送件数も増加傾向にあるなど、さらなる体制の強化が必要だと考えております。
このため、令和4年度から、救急を専門とする医師などの関係者に意見をお伺いしながら、救急搬送体制や救命救急センターなどの三次救急医療体制のあり方について検討を行ってまいりました。 

検討の中で、救急搬送体制につきましては、
・二次医療圏を越えた転院搬送において、救急車のみの搬送では時間がかかるなど、広域搬送が課題
・府内に基地病院を置くドクターヘリの導入は、災害
などの有事の際にも有効といった意見がございました。

 また、三次救急医療体制につきましては、
・近年、救命救急センターへの救急患者が増加していることから、体制強化が必要
・広範囲に及ぶやけどや急性中毒などに対応できる高度救命救急センターの設置が必要
といった意見をいただいたところであります。

 今後、こうした意見を踏まえ、府内に基地病院を置くドクターヘリの導入可能性について検討を進めますとともに、来年の春には府内初の高度救命救急センターの指定や、救命救急センターの追加指定を行い、救急医療体制のさらなる充実・強化を図ってまいりたいと考えております。

 

次に、府立医科大学についてでございます。

府立医科大学は、これまでから世界トップレベルの研究・臨床を追究し、地域の医療を支える大学としての使命を果たしてまいりました。
また、北部医療センターを附属病院化し、がん診療などの機能を強化するとともに、人材確保につきましても学生の地域枠や北部に医師を派遣した医局に対してインセンティブを設けるなど、積極的に北部の医師確保に努めてきたところでございます。

更なる魅力向上に向けましては、府立医科大学において、北部医療センターに大学院コースを設けるなど「知の拠点化」に向けた検討が進められているところでございます。
今後とも、高度先進医療の提供や優秀な医療人材を育成していくことにより、府民の医療を守り続ける大学を目指してまいりたいと考えております。

施設整備についてでございますが、府立医科大学におきましては、高度急性期医療を担う特定機能病院として、学内に京都府医師会や建築の専門家なども参加する「将来整備構想検討委員会」を設置し、施設整備計画の策定に向けた検討が進められているところでございます。
また、北部医療センターにおきましては、北部地域における中核病院として、院内に地元自治体や経済界なども参画する「病院機能検討会議」を設置し、基本構想の策定に向けた検討が進められているところでございます 

京都府といたしましては、府立医科大学及び北部医療センターの施設整備に着手できるよう、検討を進めてまいりたいと考えております。

PAGE TOP