活動報告

平成29年3月議会 一般質問答弁内容「宮津市小中一貫教育について・職員採用について」

3月議会において、下記の通り一般質問を行いました。
動画と答弁内容をまとめましたのでぜひご覧ください!

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1宮津市小中一貫教育について
小中一貫教育を平成32年度から実施するとした基本方針が示された。栗田中学校区がモデル校区に指定され、実施校区を順次拡大していく。小中一貫教育の効果と今後の取組を問う。

2宮津市行政の未来を担う職員採用について
正規職員の採用は、30年後の宮津市役所を背負って立つ将来の幹部候補の採用だと考えます。そこで、宮津市の採用に対する姿勢と今後の採用計画を問う。
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↓動画はこちらからご覧ください。

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※以下、赤字が答弁となっていますが、私が動画を見ながら文字をおこしましたので、誤字脱字や一部表現が違うところがあるかもしれません。正確には動画をご覧ください。

 

宮津市小中一貫教育について

まず、宮津市小中一貫教育について質問を致します。

宮津市では、「宮津ビジョン 2011」と「宮津市まち・ひと・しごと創生総合戦略」における「宮津を担う次代の人づくり」に鑑み、宮津の子どもたちの成長を後押しするための宮津 市教育大綱を平成 27 年 11 月に策定しました。

そして、大綱を具現化する本市独自の行動計画として宮津市教育振興計画を平成 28 年3 月に策定しました。教育振興計画で掲げた「明日の宮津を創る子どもの育成 ~質の高い学力と心身ともに健やかな子ども~」を実現していくためには、就学前から中学校卒業ま での10年間を見通して、一貫した系統的な教育を行うことが、子どもたちの確かな学力と社会を生き抜く力を育成するのに大きな効果が期待できると考え、小中一貫教育を推進していくこととし、平成29年1月に「宮津市小中一貫教育基本方針」を定められました。

小中一貫教育に取り組む背景としては、学力向上と「小1プロブレム」「中1ギャップ」などの解消を挙げられています。

質問:「中1ギャップ」については、進学において新しい環境での学習や生活へ移行する段階で、不登校といった諸問題に繋がるとされています。不登校になった場合の人数等は把握されているかと思いますが、中学校に進学する際の生徒の意識については把握されていますか。(例:楽しみ・不安がある 等)

中学校に進学する際の生徒の意識についてです。平成28年度の中学校入学生徒の意識調査においては、「小学生の時に中学校に入学するのが楽しみだったか。」の設問は、「楽しみだった」「どちらかというと楽しみだった」を合わせると61.3%。また、「中学校への入学に不安がありましたか」の設問では、「あった」、「どちらかというとあった」を合わせると67.4%という結果であり、残念ながら近隣市町の傾向と比べると、「楽しみ」である生徒が少なく、「不安」がある生徒が多い実態があると受け止めている。小中一貫教育を実施することで不安を減らし、楽しみを増やすよう努めてまいります。

質問:小中一貫教育の効果を図ることを目的に定期的に続けられてはいかがか。またこのような効果を図る指標を作ることで、良い結果が出ることが前提ですが、多くの方からの賛同を得ることに繋がると思う。指標を作ることについての考えがあればお聞かせください。

先ほど申しました中学校での意識調査は平成27年度より丹後教育局で実施されている。生徒の意識を把握していくことは必要かと考えますので、丹後教育局にもその旨伝えまして、出来れば今後も実態調査を続けていけるよう一緒に考えていきたいと考えている。

質問:同様に、小1プロブレムについては、小学校に入学したばかりの1年生が、(1)集団行動がとれない(2)授業中に座っていられない(3)先生の話を聞かない、などの学校生活になじめない状態が続くこととされています。小1プロブレムについても効果を図るような指標はありますか。

小学校1年生が授業に集中できないのは様々な要因があろうかと思います。今回小中一貫教育で就学前からの一体的な教育をする中で、一定そういったことを防ぐというか緩和するという手立て、効果も考えている。そういった取り組みが効果を出して、成果があったという検証も併せてしていかなければいけないなと考えている。

他市で教員を務めている友人に小中一貫教育についての話を聞いた際に、中学校への進学を楽しみにしている生徒が増えたといっておりました。
宮津市でもこのような生徒が増えることを期待して、具体的な質問へ入っていきたいと思います。

平成32年に全ての中学校区での実施へ向け、平成29年度から栗田中学校区をモデル校区に選び、研究実践、試行実施、順次拡大というステップを踏まれるとされています。また、今後の進め方として、推進計画の策定、カリキュラムの作成、学校・家庭・地域への広報、市一貫教育推進組織の活動を行っていくとされています。

モデル校区に選ばれた栗田中学校区では、幼稚園・小学校・中学校・海洋高校の距離が近いことから、幼小中高連携での「花いっぱい運動」や中学生が小学校へ、小学生が幼稚園へ出向いて行う絵本の読み聞かせ、栗田幼稚園、栗田小学校、栗田中学校の教員が一堂に会した中学校ブロック教育研究会、栗田中学校や海洋高校の先生が小学校で指導いただくなど連携が進んでいると聞いております。

質問:栗田中学校区では、平成29年度はどのような取り組みを行っていくのか教えてください。

栗田中学校区での平成29年度の取組です。小中一貫教育を進める考え方を述べさせていただきます。宮津市教育振興計画で掲げる「明日の宮津を創る子どもの育成」を実現するためには、就学前から中学校卒業までの10年間を見通して一貫した系統的な教育を行うことが、子供たちの確かな学力と社会を生き抜く力を育成するのに大きな効果が期待できることから小中一貫教育を推進していくとしたもとで、本年1月に宮津市小中一貫教育基本方針を策定した。本年2月には小中一貫教育と基本方針を宮津市民の保護者に知っていただくため「宮津市小中一貫教育フォーラム」を開催し、平成32年度の完全実施へ向け取組を進めることとしています。こうした中、平成29年度においては、小中一貫教育基本方針を推進していくための具体の計画である推進基本計画(各中学校区で作るのではなく市全体のもの)を策定したいと考えている。推進計画基本計画では、幼児児童生徒の交流事業、組織運営、教職員の交流、共同的指導等の在り方を定めることとしており、この計画作成に反映させるため、平成29年度に栗田中学校区を研究実践モデル校区として指定致します。具体的には、幼児児童生徒の交流事業を増やし、小中学校の教員がお互いの学校を行き来しての学習指導(いわゆる乗り入れ指導)を始めることなどを行っていく。保護者や児童に小中一貫教育の形を少しずつ感じていただけるものと考えている。

質問:栗田中学校区では、研究実践~試行実施~実施と、平成29年度以降に本格的な実施へとステップを踏んでいくのでしょうか。

平成29年度の研究実践を踏まえまして、平成30年度は試行実施の年度と位置付けている。また平成29年度の策定予定の一部の教科カリキュラムを活用して学習指導を行います。平成31年度には本格実施の年度として平成30年度に策定予定の残りの教科領域等のカリキュラムも活用して小中一貫教育を実施する予定としています。

質問:保護者への説明はどのように行っていくのか。

栗田中学校区でいえば、例えばPTA総会などの場で基本方針やスケジュール、取組内容などを説明したいと考えている。市全体でいえば、先日実施しました「フォーラム」等も活用しながら広報周知を図っていきたい。

質問:小中一貫教育教育の内容・取組にある「保幼小接続プラン」の作成ですが、これは各施設で作成するのか、宮津市一体で作成するのかどちらでしょうか。また作成する際の推進体制は。

保幼少接続プランはそれぞれの就学前施設の教育方針は大切にしつつ、幼児期の学びを小学校教育につなぐことを狙いに小学校入学に向けて大事にしたい共有の土台部分を作成するもの。市全体のモデル的なものを作りたいと考えている。作成にあたっては、カリキュラム作成部会で小学校の校長や教頭、教職員、就学前施設の施設長や職員などの代表者が協議を重ねていくこととしている。

質問:保幼少接続プランについては、教育委員会だけでなく、健康福祉部との連携も必要だがどのようになっているのか。

これまでも小中一貫教育を進めるにあたって部間の調整は図ってきた。これからもそれを前提として進めてまいりたい。

質問:栗田中学校区には、栗田中学校・小学校・幼稚園と定められているが、小学校に上がるのは、幼稚園だけではなく、他の保育所等からも上がってくる。その際のサポートもしっかり考えてほしいが、いかがか。

他の小学校と同様に、これまで栗田小学校においても幼稚園だけでなく他の保育所等のこどもたちがスムーズに小学校の生活に適用できるよう体験入学や入学する子供たちについて教職員同士が情報交換する保幼少連絡会を行ってきた。小中一貫教育の導入を契機に保幼少接続プランを活用し、市内の全ての就学前施設の子供たちが、どの小学校に入学してもスムーズに小学校の生活や学習に適用できるようにしてまいります。この2つの取組を合わせて保幼少の接続をしっかり行っていく。

質問:地域の良さと誇りを学ぶ学習「ふるさとみやづ学(仮称)」については、大変期待をしております。就職情報サイトのデータによると、就職の際に地元へ戻ってくる学生の多くは、「地元の風土」が好きといった「地元愛」が大きな理由です。ふるさと宮津への愛と誇りを持ち、明日の宮津を創る人を育てていっていただきたいと思います。
小学校では副読本「わたしたちのまち 宮津」や宮津中学校では「宮津ふるさと学」といった地域の良さと誇りを学ぶ学習を行っていただいているが、このような特徴的なカリキュラムを活かすことはできるのか。

宮津市教育振興計画で掲げる「明日の宮津を創る子どもの育成」を進めていくうえで、地域の良さと誇りを学ぶ学習「ふるさと宮津学」は重要な取組です。生まれ育った宮津市についての理解を深め郷土への愛着と誇りを系統的に育むことで将来宮津市に戻り宮津市を担う人材として活躍してほしい。そのような願いもこめてのふるさと宮津学。そのカリキュラムについては、平成30年度において作成していく予定としているが、議員お触れの副読本であるとか宮津中学校での取組を参考にしていきたいと考えている。

 

質問:他市では、市域全体でベースとなるカリキュラムがあり、それに加えて、各中学校区独自のカリキュラムを加えているというように聞いたが、そのようなイメージを考えているのか。

これまで各学校で取り組んできました地域学習での実践・成果を基盤としまして、小中一貫教育の系統的な狙いと内容を整理した形で市全体の統一的なカリキュラムを策定します。現在は市内小中学校においてそれぞれテーマをもってふるさと学習に取り組んでいます。これに加えて、天橋立をテーマとした観光資源や水産業、地域の人材など宮津市の中に存在する多彩な学習資源を活用し系統立てた指導計画を立てることで、宮津市全体としましてふるさとに愛着を持つ次世代の育成を図ってまいりたいと考えています。

質問:地域への取組の発信ということで、小中一貫教育だよりの発行とあります。栗田小学校では、ほぼ毎日小学校のホームページを更新していただいており、拝見させていただいております。ホームページの場合、見る人は限られると思いますので、宮津市のフェイスブックで各学校のホームページに繋がるよう広報されてはどうでしょうか。自然と触れ合えることなど宮津市の教育は魅力的なところが沢山あると思います。

ホームページやフェイスブックをはじめとする情報ツールは多くの人に知っていただく大変効果的だと考えている。ご提案の方法については、小中一貫教育だけでなく学校の取組を広く広報できる手段の一つとして実施してまいります。

質問:最後に藤本教育長へ質問します。教育大綱~振興計画~小中一貫教育方針と宮津市の教育に大きな道筋がついたのではないかと思う。これからの宮津市教育に対する想いや考えをお聞かせ下さい。

私は教育の原点は人づくりだと考えている。宮津市ではどのような人づくりを目指すのかということになると思う。学校教育の中では、幼少期をまず人としての教養のもとを作る学力・体力・気力の育成は本当に大切なものになってくる。私自身は、子供たちに元気で明るく優しい人になってもらいたい。自分を大切にし、他者を大切にする。常に感謝の気持ちを忘れず、子ども自身が育ち学んできたこの宮津を誇りに思える教育がしたいです。次に社会教育では、大綱にあるように「豊かな心が育まれ、文化が息づく街を目指し、優れた文化を継承し、今後も誇りと愛着のある地域文化の保存活用を積極的に進めてまいりたい」と思っている。活力ある明日の宮津を作る人づくりを目指してまいりたい。

 

宮津市行政の未来を担う職員採用に関して

次に、宮津市行政の未来を担う正規職員の採用に関して質問させていただきます。この質問は昨年の3月議会でも取り上げさせていただきました。

前回も申し上げましたが、一般的に、正規職員の1名の生涯賃金は約2億円ともいわれ、もし5人採用すると約10億円の投資となります。経営上、最重要の投資案件といっても過言ではありません。

正規職員採用については、10年後の35歳には係長として市役所の中核となり
20年後の45歳には課長として政策分野を司り、
30年後の55歳には部長としてそのときの市長とともに都市経営をする。
正規職員の採用は、幹部候補として活躍が期待される採用で大変重要です。

質問:採用の計画を早めに立ててはどうかという質問に対し、例年募集を行っている8月からでは遅いのかなと思っている。前倒しを検討する必要があると思っている。という趣旨の答弁があったと思います。本年の採用について工夫された点と採用の状況について教えて下さい。

今年度の採用については、近年の応募人数の減少や辞退があったため、例年と比べて3つ変更した。1つ目は、試験の回数を増やしました。前期試験と後期試験を行った。また前期試験の時期を従来の10月から9月と1か月早めた。2点目は、募集期間の早期化長期化ということです。前期試験の募集を8月としていたものを6月へ2ヶ月前倒しすると共に、募集期間を3週間程度から2か月間程度とした。3点目は、応募対象年齢の拡大です。都市部で働いている方のUIターン枠ということで、これまで26歳としていましたが30歳とし、4歳引き上げた。この結果、一般事務職で応募は昨年度30名から78名と2.6倍となった。専門職1名を含め8名という状況となった。

質問:今年度の専門職の募集の状況は。

今年度も苦戦している。建築技術職・精神保健福祉士・保険師の募集を行った。結果としては、建築技術職・保険師は採用に至りませんでした。精神保健福祉士については1名確保できた。保険師が特に苦戦している。近隣市町でも厳しい状況。

質問:専門職の採用について難しいようでしたら、資格取得できる学校等へ求人票を贈るなどしてはどうでしょうか。

専門技術職の学校のOBがいるので、声をかけているが中々難しい。市役所にいる保険師のネットワークを使って声をかけている状況。

質問:市のホームページを活用した広報について提案した質問に対し、「宮津市の業務内容は知ってもらうことは重要だと思っている。ホームページ等で業務内容の説明はできればしていきたい。」という趣旨の答弁をいただいた。現在は募集を行っている期間しか情報を得ることができない。福知山市のように採用試験の情報や職員紹介、職場環境、仕事の内容等を掲載してはいかがでしょうか。

確かにそのように答弁した。今年度においても職場の声といった形でホームページに載せていきたいと思っていたが、今年度においてはできていない状況です。次年度においては、広く目に留まるような形でホームページに掲載していきたい。民間の情報サイトについては今年度掲載させていただいた。

質問:舞鶴市は京都市内で「舞鶴市役所おしごとセミナー」を開催されたそうです。
その際の新聞記事にはこのように掲載されていました。舞鶴市では併願者が多く、多々見市長は「1次試験合格者で優秀な人材が約2~3割、辞退して抜けていると感じる」と話す。辞退の理由は、受験者の地元の自治体、府や京都市など大きな自治体を希望している場合が多い。このため、セミナーでは「舞鶴市役所の仕事のやりがい」を市長や若手職員が“生の声”で公務員志望者に伝え、優秀な人材確保を目指す。とされています。
昨年の一般質問で業務説明会について質問した際には、「一定検討したい。」という答弁だったかと思います。自治体の規模こそ違うものの、優秀な学生にしっかりと宮津市で働く魅力を伝えるためにこのような手法も検討されてはいかがでしょうか。

昨年度できればという形で答弁となった。結果として実現できていない。本誌の取組を紹介させていただきたい。地元の高校に直接出向き採用試験の情報や仕事内容、生の声を学校の先生に伝えた。間接的に生徒に伝えてもらった。今回高校生の応募もたくさんあった。直接的なセミナーは今年度出来ていないが、採用に向けて色々な手立てを尽くした。

冒頭申し上げた通り、正規職員の採用は、幹部候補として活躍が期待される採用で大変重要だと考えます。ぜひ力を入れて行っていただきますようお願い申し上げて、質問を終わります。

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