●総括質疑のご報告!
令和2年度当初予算特別委員会において自民党議員団を代表して総括質疑の機会をいただきました。
①新型コロナウイルス感染症対策について ②「食の京都」について ③「京都ブランド米」新展開事業について ④丹後地域の高校教育について 質問を致しました。
この内、【③「京都ブランド米」新展開事業について】質問と答弁内容をご報告致します。
丹後産コシヒカリは市場での引き合いも強く高値で取引されておりますが、食味という点では、懸念も生じてきております。
そのようなことから、京都府では新たなオリジナル新品種を育成しており、私自身は大変重要な取り組みだと考えております。
ブランド戦略もさることながら、生産者支援にもしっかり取り組んでいただけるよう要望してまいります。
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(質問)
「京都ブランド米」新展開事業についてお伺い致します。
令和元年産の京都府水稲品種別作付割合は54%がコシヒカリ、20%がキヌヒカリ、17%がヒノヒカリとなっており、丹後地域においては、コシヒカリが86%という状況です。現在、京都府産コシヒカリの相対取引価格は近隣府県と比べても高水準で扱われているところであり、生産者に皆様におかれては、近年の環境変化に対応し、プライドを持って米作りをされている姿勢に感銘を受けておりました。
しかし、日本穀物検定協会が発表する米の食味ランキングでは、丹後産コシヒカリは「特A」の獲得回数が12回と全国でも獲得順位は10位となってはいますが、平成27年以降は獲得できておりません。本年2月26日に発表された令和元年産米の食味ランキングでは、京都府の4銘柄がいずれも「A」だったとの報道がなされました。
近年では、気候の影響を比較的受けやすいコシヒカリの特A産地が全国的に減少している傾向にあるとされており、京都府産のコシヒカリも温暖化の影響による品質低下が懸念されております。今回のランキングでは、令和元年産は収穫前の高温で品質に影響を受けた産地も多く、「近年の気候変動に対応した品種がランクを上げた」と分析されています。
このような状況に加え、平成30年の国の米政策の見直しによる産地間競争の更なる激化に対応するためにも、京都府としては、高品質で全国トップクラスの高価格帯の京都オリジナル米新品種を育成することにより、京都府産米全体を牽引したいとされています。
そこで質問致します。
昭和37年から京都府奨励品種に採用されて以来、丹後産コシヒカリは約58年間にわたって京都府産米を牽引してきましたが、最近の食味ランキングから温暖化の影響での品質低下が懸念されております。まずは、京都府として、丹後産コシヒカリの現在の状況をどのように認識しておられるのか、課題や今後の具体的な展開も合わせてお伺い致します。
次に、福井県の新ブランドの「いちほまれ」が今回の食味ランキングに初登場で特Aに選ばれました。全国的にも米どころと言われる産地を中心に様々なブランド米が市場に出回っております。その様な状況の中、京都府オリジナル米新品種を考えられ、コシヒカリより甘みがある品種を試験栽培で選定されたとお聞きしました。これまでの過程や新品種の特性、今後の作付け規模や価格帯を含め、具体的な展開、いわゆるブランディング戦略をどのように考えておられるのかお聞かせください。
ただ、売るほうのブランディング戦略をたてても、生産者の方々がこの新品種に対し、価格だけではなく、作付けに関する優位性を感じていただかなくては、生産量は増えていきません。オリジナル米新品種を作付していくにあたって、農業改良普及センターによる栽培面での支援や、また、新品種作付けへの機器整備支援など寄り添った支援をしていくことが大切だと考えますが、生産者への支援をどのように考えているのかお聞かせ下さい。
(答弁)
「京都ブランド米」新展開事業についてでございます。
丹後産コシヒカリは、丹後地域の農業を支える重要な農作物であり、西日本で「特A」評価を最も多く獲得するなど、京都を代表する良食味品種としてその地位を築いてまいりました。
こうした実績によりまして、今なお市場での引き合いも強く高値で取引され、定番商品として定着しておりますが、委員ご指摘のとおり、食味という点では懸念も生じてきているところでございます。
京都府といたしましては、夏場の高温に対応した技術対策をしっかりと進め、当面は、市場評価の高さを強みに、主力品種として一層高品質な米生産を推進してまいりたいと考えております。
一方で、今後の温暖化の進行に備える必要があることや、全国的な米のブランド戦略が地域の特色を前面に出したものに移行してきていることを踏まえ、府中北部での栽培に適した、良食味で高温にも強い新品種の開発を進めてきたところでございます。
この新品種につきましては、徹底した品質管理と規格遵守を基本に、京都の高級な和食文化と結びつけたPR戦略を展開することとしており、まずは、令和2年度に、オリジナルの名称を決定するとともに、府内高級京料理店で限定提供するなど、プレミアムなイメージを作り上げたいと考えております。
その上で、令和3年度からは、府内の米穀専門店や百貨店などへの販売を本格化させ、令和5年度には200haまで生産を拡大してまいりたいと考えております。
生産者の皆様に対しましては、高品質な栽培を推進するための基準とノウハウを提示し、ポイントとなる時期毎に研修会や普及センターによる巡回指導などをきめ細かく実施するとともに、必要な共同機械の導入を支援してまいりたいと考えております。
このように、生産と販売の両面から徹底したブランディング対策を講じ、全国トップクラスの高価格帯のブランド米に育成してまいりたいと考えております。
(答弁への返答)
ご答弁いただきました。今回の新品種が京都府の農業を支える重要な取り組みになると思いますので、しっかりと進めていただきますようお願い申し上げます。