令和6年12月定例会 一般質問「水産業の振興について」
12月定例会にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。
<代表質問の項目>
①建設産業の人材確保対策について
②災害に強い丹後半島の道路ネットワーク構築について
・道路啓開計画について
・国道178号宮津市日置から伊根町間の強靭化について
・主要地方道網野岩滝線男山工区について
・主要地方道宮津養父線岩屋峠について
③水産業の振興について
今回は、「水産業の振興について」 の質問を掲載させていただきます。
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水産業の振興についてお伺いいたします。
本年8月に発表された漁業センサス結果の概要では、2023年11月時点の京都府内の漁業就業者数は2018年の前回調査比16.7%減の773人となり、1949年の調査開始以来最小となりました。
年代別にみると、海の民学舎の修了生が府内で就業したこともあり29歳以下の人数が9人増え、65歳以上が全体に占める割合も2.4ポイント減ったとのことであります。
人口減少が進む中で、就業者を増やすことは難しい状況が続いていると思いますが、若者の就業者数の増加は明るい兆しであり、海の民学舎などの人材確保・育成の取り組みの効果が出てきており、大変心強く思います。
海の民学舎は開設から10年目を迎え、先日記念誌が発行されました。32人の修了生を輩出し、現在は21人が府内で漁業に励んでおられ、私の地元におられる漁業関係者とお話すると、海の民学舎を通じて就業してくれる若者が地域にも馴染み、定着してくれており、地域に活気が出ているといったお話をお聞きします。
ただ、就業先として選んでもらうには、しっかりとした収入がなくてはなりません。漁業センサスによると、販売金額が300万円未満の経営体が77%となっている現状から、漁業後継者や就業者の確保には、漁業が魅力ある産業であることがまずもって必要なことであり、漁業を儲かる産業として確立していかなくてはなりません。
現在、京都府では、関係団体とも連携しながら、儲かる漁業を推し進めていくために、「浜の活力再生プラン」に基づき各種事業を推進していただいているところですが、中でも、高品質化の取り組みとして、「京鰆」の取り組みに注目しております。
府内の鰆類の漁獲量は1999年から急増し、2006年から2008年には3年連続で日本一になりました。京都府漁協では、1.5キロ以上を「京鰆」、3キロ以上を「特選京鰆」として名付けブランド化を図っており、私の地元の漁師さんにお聞きすると大きな収入源になっているとのことです。
ブランド化などの所得向上の取り組みが進む一方で、地元の漁師さんにお話をお伺いしていると、燃料代等の高騰も大きな課題となっているとのことであります。現在は京都府漁協の独自支援や、国の漁業経営セーフティーネット構築事業、昨年度の京都府の事業であります農林水産業経営改善支援事業費などで助けていただき、感謝されているようですが、燃料代等の高騰が長続きするとこれらの支援もどうなっていくのかと不安の声も聞こえてきます。
そこでお伺いいたします。
若い方々に京都府の漁業に夢と希望をもってチャレンジしてもらえるよう、漁業者の人材確保と所得向上に向けた京都府施策の今後の展望をお聞かせください。
次に、漁場環境についてお聞きします。
京都府沖合の本年8月の表層平均水温が25.6度と、平年値より2.5度、昨年比で1.2度高く、1964年の観測開始以来、最高値を記録したとのことです。丹後半島の沖合で暖流による渦が発生したとみられ、研究者からは生態系への影響を懸念する声が聞こえます。
暖水渦は暖流の流量の増加や接岸が発端とされ、流量の増加は地球温暖化など、気候変動の影響を受けている可能性があるとのことです。
特に、丹後とり貝の耐水温の限界は29度と言われているそうですが、8月中旬の表層海水温は30度を超えたとのことで、漁業者からは、育成不良や生残率(せいざんりつ)の低下についての不安の声も聞こえてきます。
その様な漁場環境の変化に対応するために、丹後とり貝の育成にはIoT利用が進められてきており、水温やえさとなる植物プランクトンの状況などを観測し最適な海中環境を探っていく取り組みが進んでおります。
そこでお伺いいたします。
平均水温が上がってくることにより、養殖業にも海中環境への変化への対応が求められると考えますが、京都府として、個人経営体を支える基幹的な漁業でもある、二枚貝養殖の発展に向け、この変化をどのように捉え、対応していこうと考えているのかお考えをお聞かせください。
(答弁)
水産業の振興についてでございます。
水産業を魅力ある産業として振興するためには、水産資源の持続的な利用を確保しつつ、所得向上のための操業の効率化や商品の高付加価値化を進めるとともに、意欲ある漁業者を確保・育成し、積極的に支援することが必要でございます。
操業の効率化に向けましては、ICTを活用した魚群探知機の導入により定置網に入網する魚群を陸上で把握し、出漁判断に繋げる技術の現場実装や、潮流や水温などの観測データから漁場環境を予測する共同研究を進めてまいります。
商品の高付加価値化では、「京鰆」や「寒ブリ」、「ズワイガニ」など、漁港から漁場が近い強みを生かした高鮮度、高品質なブランド化を進めますとともに、観光と連携した漁家民宿や体験漁業などの海業を通した魅力発信に努め、新たな需要を創出してまいります。
さらに、こうした魅力ある水産業の実践に必要な高度な知識、技術や高い経営力を持つ漁業者を確保・育成するため、「海の民学舎」を拠点に、府内の高校・大学や企業などと幅広いネットワークを形成し、募集から研修、就業、定着、経営発展までの一貫支援を強化し、水産業の成長産業化につなげてまいります。
次に、漁場環境の変化に対応した二枚貝養殖の振興についてでございます。
「丹後とり貝」は、京都を代表する高級ブランド水産物であり、漁業者や関係団体と一体となり全国に先駆けて、稚貝から出荷に至る養殖技術の確立と普及を図ってまいりました。
その結果、本年度は、出荷数量・金額とも過去最高となる約30万個・2億円を達成したところでございますが、一方で、大量へい死の原因となります、夏季の高水温や冬季の低酸素濃度などへの対応が大きな課題となっております。
夏季の高温対策では、水深ごとの水質情報を自動でモニタリングできる装置を設置し、最適な養殖環境になるよう養殖かごを昇降調整するシステムの開発を進め、今後、普及・拡大を図りますとともに、高温に強い種苗の選抜・育成を進めるなど、対策を強化してまいります。
冬季の低酸素濃度対策では、発生原因となります湾内における低酸素海水の移動メカニズムを全国で初めて解明したところであり、今後、水質モニタリングによる発生予測により、被害防止対策の確立に繋げてまいります。
今後とも、生産の効率化とブランド化を進め、収益性の高い魅力ある水産業を実現してまいります。







