活動報告

教育

12月定例会代表質問~府北部の教育環境の充実について~

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(質問)

京都府北部の教育環境の充実について質問いたします。
まず丹後の府立高校についてお伺い致します。

京都府域において丹後地域は特に人口減少、少子高齢化が進んでおり、平成25年に1100名いた中学3年生は、平成30年には852名、平成35年には749名となる見込みです。子どもの数が減少していくと部活動の規模が確保できず、公式大会にでられないことも想定されることから、今後の方針を危惧しておりましたが、地域の皆様の理解を得ることで、平成32年度から宮津高校と加悦谷高校、網野高校と久美浜高校がそれぞれ1つの高校になり学舎制が始まります。また、伊根・弥栄・間人の分校が京都フレックス学園構想にもとづく新設高校として生まれ変わります。
学舎間の連携した取り組みでは、双方向の教育活動を実施することを目的に遠隔教育システムが導入される予定であり、新設校では、ICT機器の活用、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、地域の福祉機関とも連携した支援体制を構築いただけるとのことです。
私は、これからより一層高い教育を丹後で行っていくためには、「地域創生教育推進プログラム」を推進していくために、丹後の特色を活かした取り組みを推進するコーディネーターや教員に対して指導力向上のアドバイスをする学術顧問の配置なども考えないといけないと思いますし、丹後地域は公共交通機関が充実している地域ではないため、学舎間の移動をバス等で補うなど、保護者や生徒に負担をかけないような取り組みも必要だと考えております。
このように様々な取り組みを通じて丹後の子どもたちに最善の教育環境を整えていただくことを心から強く望みます。

そこで質問致します。丹後地域の教育環境を整えていくにあたり、課題と今後との取り組みについて教育長のお考えをお聞かせください。

次に、高校における教育費負担への支援についてお伺いします。
高校進学率は98%を越え、ほぼ全ての中学生が高等学校に入学する状況なっています。平成29年度に国が発表した「子どもの学習費調査」をみると、全日制公立高校では、全国平均で学用品代や学校積立金など年間約30万円の教育費が生じることとなっており公立高等学校就学支援金による実質授業料無償化や奨学のための給付金などの施策の充実が図られているものの、高校教育段階での家庭の経済的負担は大きい状況にあります。
私の地元の府北部地域は、府南部地域と比べると相対的に所得が低く、また、子どもの要保護・準要保護率が20%を越える自治体もあります。こうした中、例えば、京丹後市、宮津市、伊根町、与謝野町が丹後海陸交通と協働し、全域で上限200円バスを運行させたり、京都丹後鉄道の沿線市町で構成する京都丹後鉄道利用促進協議会では、中学校がクラブ活動や校外活動などで利用した京都丹後鉄道の運賃の一部を助成したりするなど、家庭の経済的負担を軽減する取り組みが行われております。

先ほどの「子どもの学習費調査」によると、高校段階の経済的負担の約3割が通学関係経費であるとされており、経済的に厳しいご家庭とっては、高校の通学費は大きな負担となっております。
京都府においては、国の就学支援金や住民税非課税の低所得世帯を対象とした「奨学のための給付金」を実施するとともに、全国でも数少ない高等学校通学費に対する補助制度を設けるなど、全国でもトップクラスの家庭の経済的負担支援に取り組まれておりますが、更なる制度の充実を図る必要があるのではないかと考えています。
西脇知事が掲げておられる「子育て環境日本一」の実現に向け、高校生をお持ちの保護者の経済的負担の軽減について、例えば、高校生の通学費の補助制度の充実等、具体的な施策検討ができないものかと考えますが、教育長のご所見をお伺い致します。

ここまでのご答弁を宜しくお願い致します。

(教育長答弁)
 中島議員の御質問にお答えいたします。

 丹後地域の府立高校についてでありますが、急速に少子化が進む中、学校の小規模化による課題の解消を目指し、平成32年度から学舎制導入やフレックス学園構想に基づく新設高校の開校等に向け、現在、各高校で具体的な準備を進めております。
 15歳から19歳の転出が大きく全体として人口減少が進む丹後地域においては、高校段階で広く丹後地域の事を知り、高校・大学卒業後に、地域を支える意識を醸成することが求められております。

 このため、学舎制等とともに、例えば、地元企業でのインターンシップや地域の自然・文化・産業を学ぶ地域学習や研究など、豊かな自然や地域の産業、丹後王国をはじめとする歴史等、魅力ある資源を活かした多様な教育活動を展開し、将来の地域を支える人材を育成していく事が重要であります。
 学舎制による積極的な生徒の交流や将来、地域を支える人材育成に向けた多様な教育活動を具体的に進めるため、御指摘のような、生徒の移動手段の確保や各高校の特色に応じた外部人材の活用といった課題を含め、地域の企業や自治体、大学等と連携をし、様々な観点から現在協議を進めているところでございます。
 人材の確保等に難しさもありますが、府教育委員会といたしましては、丹後地域の方々の熱い期待に応え、学校の取組を支援できるよう、関係機関との連携のもと、必要な人材の配置や派遣などに工夫をし、教育環境の充実に努めて参ります。

 次に、高等学校における保護者の教育費負担への支援についてでございますが、本府では従来から授業料減免や奨学金等の制度をセーフティネットとして整備をし、高校生の就学や卒業に向けた経済的支援に取り組んでおります。
 また、平成26年度以降、授業料に充当する就学支援金や給付金の制度を年次進行で拡充するなど、教育費支援の充実を図ってきておりますが、議員御指摘のとおり、通学関係経費が教育費負担の約3割を占め、保護者の負担になっているという現状も認識をしております。

 このため、全国的にも数少ない通学費補助制度を設け、一定の所得要件を満たし、一定以上の通学費負担をしている家庭に対しまして、通学費の一部を支援しておりますが、とりわけ生活保護法による通学交通費の援助が受けられない生活困窮世帯では、通学関係経費の負担は大変重いものになっていると考えております。
 府教育委員会といたしましては、こうした観点から本制度の所得要件の緩和など、低所得世帯への支援に繋がる「子育て環境日本一」にふさわしい制度となるよう、見直しの検討を進めて参りたいと考えております。

(答弁への返答)
ご答弁いただきありがとうございました。
府北部の教育環境については、学舎制になることで、部活動等での学校間の行き来が生じます。先ほども述べましたが、丹後は公共交通機関が充実しているとは言えないため、移動手段については特に気になっております。まだ具体的には決まっていないようですが、スクールバスを購入するなど、保護者や生徒に負担がかからないよう、学舎制になっても様々な面でより充実したと言ってもらえるような環境整備をしていただきますよう心からお願い致します。

通学費負担の軽減については、具体的に所得要件の緩和などに触れていただきました。「子育て環境日本一」にふさわしい制度になるようお願い致します。

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