活動報告

農林水産

自民党京都府議団を代表して西脇知事に質問を行いました!

 昨年11月に行われた京都府議会議員選挙・補欠選挙において多くの皆様のご支援により府議会へ送り出していただきました。それから早1年が経ち、12月3日より開会する京都府議会12月定例会において、自民党京都府議団を代表して質問する機会をいただきました。

 本年は多くの自然災害が起りました。特に、集中豪雨や台風により発生した土石流や流木を原因とする被害は計り知れないものでした。また、大手川や野田川などの河川では大量の土砂が堆積し、今でも住民の方々を不安にさせています。災害が多く発生し、森林の持つ機能が再認識される中で、今回は、森林管理と未利用材の他、4項目について質問致しました。

代表質問の質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。
長文になりますので、分割します。
「森林管理と未利用材の利用について」の質問と答弁を掲載します。

==========  <代表質問内容>  ==============

自民党議員団の中島武文でございます。

はじめに、本日の代表質問の機会を与えていただきました自民党議員団の皆様に心から感謝を申し上げます。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきますので、積極的なご答弁を宜しくお願い致します。

まず、「森林管理と未利用材の活用について」質問させていただきます。

本年は、7月の梅雨前線に伴う西日本豪雨、8月の台風20号、9月の21号、24号など多くの災害がありました。私の住む地域においても、集中豪雨により土砂崩れや林地の崩壊がおき土石流が発生し、橋梁で大量の流木がせきとめられ、河川が氾濫し床下、床上浸水が起こりました。私の地元にある大手川、野田川などの京都府管理河川には、今でも大量の土砂が堆積し、多くの住民の皆様を不安にさせております。また、京都市内の山間部においても、台風により発生した風倒木が山を覆いつくし、自然災害のリスクが高まっております。

このような状況をみていると人工林の間伐や流木対策が不十分なため、森林の機能が低下し、災害が起こりやすくなっているのではないかと感じているところです。

集中豪雨などによって起こる土砂災害や土石流による洪水災害の短期的対策としては、治山ダムや砂防えん堤などの土木的手法による対策が必要でありますが、長期的には、森林管理を行うことで、土壌保全、水源涵養などの森林の有する多面的な機能を向上させることが重要だと考えております。

そこで、今回は森林の有する多面的な機能を向上させるため森林資源の適切な管理を目的に導入される森林環境税について質問致します。

本年6月定例会における我が党の渡辺議員からの森林環境税についての質問に対して、西脇知事は「府内の森林を効果的に管理できるよう有識者による検討会を設置し、府民税の在り方を含めた方向性を出したい」と答弁されました。

これまで開催された有識者会議の開催経過や、会議における森林管理のあり方についてどのような意見が出されたのでしょうか。

国の森林環境譲与税を充当する新たな森林管理制度では、経営管理が行われていない森林については市町村が仲介役となり森林所有者と意欲のある林業経営者を繋ぐシステムを構築していくとされています。具体的には、林業経営に適した森林は林業経営者に委託でき、林業経営に適さない森林は市町村自ら管理することになります。このように新たな森林管理システムの主体は市町村ですが、京都府下の多くの市町村では技術職員が不足しており、森林管理システムの円滑な推進が危惧されています。この課題についてどのような方策が必要と考えているのかお聞かせ下さい。

今回新設される森林環境譲与税と京都府の豊かな森を育てる府民税とは、その使途が重複するように見えますが、どのように両税を活用していくのか。今年のように災害が多発し、森林の持つ機能が再認識される中で、府民税を京都府全体でどのように使っていくのかお聞かせください。

次に、林地残材、いわゆる未利用材の活用についてお伺い致します。未利用材はその搬出や運搬のコストがかかることから森林内に放置され、日本全体で年間約2千万立方メートルの林地残材が発生していると推計されています。林地残材は、除去されなければ森林内に堆積され、台風や集中豪雨といった自然災害発生時には流木の発生に繋がります。前述しましたが、今年の豪雨災害や台風により発生した流木を原因とする被害は計り知れないものだと考えます。

そこで国ではこの未利用材を活用すること等を目的に平成24年度に木質バイオマスを含む再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を一定の期間、固定価格で買い取ることを義務付ける再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を導入されました。平成30年3月末現在において、104カ所の施設が売電を行っており、全国で320カ所の発電設備の新設計画が制度の認定を受けております。

2020年には府内で初めてとなる未利用材を含む木質バイオマスを燃料とする発電所が舞鶴市において稼働する予定となっており、本年10月に本格的に工事着工されたと伺っております。

平成24年に策定された京都府バイオマス活用推進計画において未利用材の利用推進が位置付けられており、平成28年時点での京都府の未利用材発生量は10,131tとされ、利用量は1,926tと利用率は19%となっています。近畿圏内には、6つの木質バイオマス発電所があり、未利用材の需要が高まってきていると感じており、本府においても木質バイオマス発電所の稼働が未利用材の利用促進に繋がることを大変期待しております。

そこで質問致します。

減災対策としても、未利用材の利用は大変重要であると考えますが、未利用材の利用促進についての課題と今後の取り組みをどのように考えているのか、西脇知事のお考えをお聞かせください。

また、木質バイオマス発電所が出来ることを契機と捉え、森林整備から利用まで、まさに川上から川下までの体制づくりを行い、林業経営者の収益向上に繋がるようにしていただきたいと考えますが、お考えをお聞かせ下さい。

(答弁)

 中島議員の御質問にお答えをいたします。

 森林管理と未利用材の活用についてでございます。

 平成31年度からの森林環境譲与税導入後における「豊かな森を育てる府民税」と今後の森林管理のあり方等について検討するため、学識経験者、林業、木材、行政関係者で構成されます有識者会議を設置をいたしました。

 これまで、4回の会議を開催をいたしまして、各委員からは、例えばでございますが、昨今の集中豪雨により災害が多発しており、一層の森林整備が必要である、また、多くの市町村では林業技術職員が不在であり、森林管理を行う上で、京都府による専門的な技術支援やサポートの体制整備が必要である、さらに、府民税と二重課税でないよう納税者の理解を得るには、両税の使途の重複を避けるべきである、などの意見があったところでございます。

 また、国の森林吸収源対策税制の検討会の座長から、森林環境税創設の検討経過についてお伺いいたしましたところ、市町村に交付されます森林環境譲与税は、その創設趣旨からすると、森林経営管理法で新たに生じます「放置された人工林の間伐」などの森林整備に対して充当されることが望ましいけれども、それに限定されるものではないとの意見がございました。

市町村は「新たな森林管理システム」の主体となる一方で、技術職員が不足することから、森林環境譲与税の一部が都道府県に配分されます趣旨や、また先ほど紹介いたしました有識者会議の意見を踏まえ、京都府といたしましては、譲与税を活用して、例えば、森林管理システムを担える市町村職員の育成、森林整備に不可欠な森林簿、森林計画図の精度の向上、林業経営の適否判断などの技術サポートを行う相談窓口の設置などの支援に取り組んでまいりたいと考えております。

さらに、市町村の業務が円滑に進められるよう、市町村の要請を聞きながらでございますが、市町村が行う森林管理をサポートする仕組みの構築など、支援の拡充を図っていくことも検討してまいりたいと考えております。

 今後の府民税の活用につきましては、人工林が少ない都市部を中心に、森林環境譲与税が、木材利用など府民税の市町村交付金と同じ使途に充当される可能性もありますことから、納税者の理解を得るには、使途が重複しないよう市町村交付金については廃止も含めましてそのあり方を整理する必要があるというふうに考えております。

 また、その際、市町村におきましては5年間の課税期間を前提に事業計画を立てておられることもございまして、見直しの時期や内容については、それについての配慮が必要だというふうに考えております。

 一方で、有識者会議の意見にもご紹介しましたように、度重なる集中豪雨により災害が多発し、森林整備、また、保全の必要性が高まっていることから、こうした見直しとあわせまして、府民税を防災対策に一層活用し森林整備を加速することによりまして、府内の森林が適正に管理されるよう取組を推進してまいりたいとも考えております。

また、未利用材につきましては、や、曲がり・割れの入った林地残材を余すことなく搬出・利用できれば、林業経営者の収益向上、また、災害防止にもつながると考えております。

未利用材の搬出意欲の向上のためには、買い取り量が大口でかつ安定しており、採算がとれる価格で買い取られることが重要であります。林地残材を燃料とする発電の買い取り価格が有利であります固定価格買取制度の導入を受けまして、優位な需要先となります木質バイオマス発電所を舞鶴市に誘致したところでございます。

今後は、これらの需要に対応する、林地残材の安定供給を確保することが必要になることから、輸送コストの低減や地産地消の促進によります収益向上の取組が必要でございます。

このため、たとえばに林地残材を集約し、一括輸送するなどの、輸送方法の効率化、また、発電所で行うチップ化をで処理して価格向上を図る移動式チッパーの導入、地元の森林組合や自治体と連携した地域供給体制の構築といった対策を進めてまいります。

また、木材利用を一層推進するためには、森林の整備から利用までの一貫した体制づくりが必要と考えており、安定取引のための需給者間の年間契約の締結とか、需要量に応じた木材の切り出しのための用途別の需給情報の共有、広域的な木材供給のための経済的な搬出体制、集出荷ルートの構築などを進めまして、林業経営者の収益向上を図ってまいりたいというふうに考えております。

(中島)

ご答弁いただきありがとうございました。森林管理と未利用材の活用、そして水産業、どちらについても具体的にご答弁いただき、大変心強く感じた次第です。

まず森林環境税に関わる市町村のサポート体制については、市町村ごとの地域事情があるかと思いますので、要請を汲み取り、支援の拡充を行っていただきますようお願い致します。

また、先ほどから何度も述べておりますが、災害が多発していることから、府民税を活用して実施している危険木撤去事業など防災・減災の観点での森林整備事業を積極的に行っていただける体制の構築をお願い致します。

未利用材の活用については、具体的な対策をお聞きできました。林業経営者の収益向上を図るためにも、積極的に森林整備から利用までの一貫した体制づくりを行っていただきますようお願い致します。

 

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