活動報告

観光振興

平成29年6月議会 一般質問答弁内容『「稼ぐ観光」について』

6月議会において、下記の通り一般質問を行いました。
動画と答弁内容をまとめましたのでぜひご覧ください!

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1「稼ぐ観光」について

地域内の多種多様な資源を活用しながら、様々な事業者が連携し魅力的な地域を創造することで、外貨を獲得し、地域内で経済を活性化するための手法を問う。
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↓動画はこちらからご覧ください。

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※以下、赤字が答弁となっていますが、私が動画を見ながら文字をおこしましたので、誤字脱字や一部表現が違うところがあるかもしれません。正確には動画をご覧ください。


「稼ぐ観光」について

施政方針にも「食べ処、宿泊処、土産物開発を強力に推し進め、稼ぐ観光を実現させてまいります。」と掲げられていますが、私も「稼ぐ観光」が地域に必要だと考えています。それは、定住人口1人の年間消費額は国内宿泊旅行者24人分、日帰り旅行者79人分の旅行消費額と同等と言われており、減り続ける人口分の消費額を補うためにも観光に力を入れていくことは大切だと考えるからです。

そこでまず、「稼ぐ観光」とは何なのか、自分なりに言葉にしてみました。

地域内の多種多様な資源を活用しながら、宿泊、飲食、交通、小売り、体験、1次産業等、様々な事業者と連携し魅力的な地域を創造することで、交流人口から得られる観光収入を獲得し、地域内で経済を活性化する。よって、誰が稼ぐのかと言えば、地域の事業者であり、地域事業者を稼がせる観光と言えると考えます。

また、昨年度からは海の京都DMOを立ち上げられ、稼ぐ観光に一層力を入れられていくものだと理解しています。平成28年3月議会で城崎議員からのDMOについての定義を問う質問には、「DMOは、観光事業者のみならず、地域の多様な関係者との連携や地域資源のブランディング等の取り組みにより地域の稼ぐ力を引き出すとともに、観光地経営の視点に立った観光地域づくりを行うかじ取り役、司令塔の役割を果たすものであると考えております。」と答弁されています。

海の京都DMOには「稼ぐ観光が循環する仕組み」を作ることが求められており、地域内事業者に観光で稼ぐ機会を与え、事業者が成長し続けるサイクルをつくる、この仕組み化を期待されているのではないでしょうか。事業者が安定的に稼ぐことが出来た先の未来には、雇用者数増や給与額のUPが期待でき、経営者は新規事業開発に投資する余裕もできる。さらに活気ある地域となれば、起業や異業種から参入も増え、地域内の事業者数も増える。そうなれば自治体としても、定住人口増、それに伴う税収増へ繋がり地域社会全体に還元できる。観光が今、成長産業として期待される中、DMOは地域の観光を産業として進化、循環させる役割を期待されているのではないかと思います。

(1)そこで、市が考える「稼ぐ観光」とはどのようなものか。また、稼ぐ観光を実現していくために海の京都DMOとどのように連携していくのかをお聞きします。

今議員からご説明いただいた内容と大きく異なるものではございません。稼ぐ観光とは次の3つの要素からなるものだと考えている。一つ目は、観光交流人口と観光消費額そのものを増大させること、二つ目が市内に落ちたお金が市外に出ていかない仕組みを作ること。三つめは、これまで観光にしてこなかった産業や地域において観光から消費を生み出すこと。本市を訪れる観光客に宿泊、飲食、お土産等で大いに消費をしていただき、メイドイン宮津のお土産物が多数販売され、観光事業者が積極的に域内の農林水産物を調達する構図になれば、観光から生じた需要により市内経済がさらに活性化し、また、これまで観光に直接関係していなかった地域においても、域内の資源を活用し、観光客から外貨を稼ぐことで市内経済の活性化に寄与していただく。このような一連の経済活動を稼ぐ観光と表現しております。海の京都DMOには科学的なマーケティング等により、海の京都エリア全体の牽引役を担う横断的な役割と地域に根差してそれぞれの地域にある資源を磨き上げ商品化し、販売し、稼ぐという稼ぐ観光を牽引する役割を期待しています。

(2)海の京都DMOでは、WIFIパケットセンサーや顧客満足度調査など各種調査を行われたが、どのように施策に反映されていくのか。具体的なイメージがあればお聞かせください。

海の京都DMOでは日帰り観光や低い観光消費額の脱却を目指すため、海の京都管内を訪れる観光客の特徴やそれぞれの観光地の強みや弱みなどの特徴を明らかにするため、Wi-Fiパケットセンサーを使った観光流動調査や顧客満足度調査などを実施されました。その結果、満足度については、平成28年度の全国の観光圏では、大変満足という回答が平均18.4%あったのに対し、天橋立については18.6%とおよそ全国平均並みであったのに対し、1年以内の再来訪意向は全国平均14.1%に対し、天橋立は約8%と大変低い結果であったと考えている。天橋立の再来訪意向が低いのは、景色を見る観光の要素が強い観光地であるという分析を受けまして、昨年度能動的な観光を充実させるため体験型観光の拠点となる天橋立アクティビティセンターの整備に対して、天橋立観光協会へ支援を行いました。今後もお参りや体験など再来訪意向が強い地域を参考にした施策を展開していきたいと考えています。

現在宮津市では、まちひとしごと創生総合戦略に基づき、施策を展開されている。ここからは、市のKPI達成へ向けての手法について考え方を伺います。平成27年度の決算では、観光交流人口は297万人、外国人観光客宿泊者数は2.5万人、観光消費額は96億円と計画値通りとなった。

(★)平成28年度の観光交流人口・外国人旅行者宿泊者数・観光消費額の実績がわかれば教えてください。
(平成28年度計画値:交流人口282万人・外国人3万人・消費額108億円)

平成28年度の実績です。観光入込客数は約290万8900人、消費額は約94億円ということで、平成27年の実績に比べ2%の減少となっている。外国人宿泊者数については2万7795人ということで、対前年比13%増という結果でした。

平成28年度の計画値通りに観光消費額がいっていないが、なぜそのような数字になったのか分析があれば教えてください。

観光消費額については、地元のお土産物開発が思うように進んでいないということもあげられる。またプロモーションが十分でないという可能性もある。広域的なプロモーションも必要かと思うので、海の京都DMOと連携を図り、さらに観光誘客を図り域内での消費を増やしていく方策を考えていかないといけないと考えている。

今年度は、まごころ位置南側にパイロット事業施設がオープン予定など更なる飛躍を期待しているところです。そこで、稼ぐ観光に上げられている「宿泊」と「食事」、そして「プロモーション」について質問させていただきます。

(3)海の京都の1丁目1番地として、滞在型観光を推進し、観光消費額を上げるためには、宿泊者数を増やすことが大切だと考える。特日といわれる連休には、宿は高い稼働率なのではないかと思うが、これまで以上に宿泊者数を増やすためには平日対策が重要になると考える。平日対策としては、外国人観光客宿泊者数に一層注力することが最善だと考えるが、どのように考えているのか。

議員お触れの通り外国人観光客は曜日や天候に左右されることなく宿泊され長期滞在される傾向にあることから、市としましても、平日や閑散期対策として有効であると考えます。そのため今後は、宿泊施設の外国人観光客受け入れ体制の充実などにも取り組まなければならないと考えます。

(★)美しい湾クラブに加盟され、欧米諸国にアプローチしようとする考えは良いと思います。現在、香港・台湾などのアジア圏の方々が沢山訪れていただいていますが、欧米諸国はまだ少なく、また観光消費額はオーストラリアやドイツなどの欧米・オセアニアが多いことからターゲット国としては間違いないですし、政府においても今後、力を入れることが予想できるのではないでしょうか。ただ、そこで疑問なのですが、海の京都DMOでも海外へのプロモーションに力を入れてくれていると思いますが、平成28年度は台湾とシンガポールが中心ということで、宮津市の欧米に力を入れていきたいという意向はしっかり伝えられているのでしょうか。

基本的には海の京都DMOについては、北部7市町が連携して取り組むターゲット先としてアジア圏に対してリーチをするという方針で取り組まれている。それに対して宮津市では昨年加盟した世界で最も美しい湾クラブに伊根町と加盟しましたので、伊根町の地域本部と協調して、宮津市の天橋立地域本部と協力して、プロモーションをしていくことで、こちらに来た欧米系のお客様を北部地域全体へ繋げていくという観点から海の京都DMOとも連携していきたい。

(4)これから海の京都DMOも外国人旅行者の動向調査等も行われると思うが、大阪や京都市内には宿が足らないほどの旅行者が来ている。もう一歩足を伸ばしてもらえるように協議をしてもらいたい。本年2月からはレールパスが丹鉄でも利用できるようになった。また、4月15日から5月31日まで、高速バスが増便された。高速バスに関しては、実証実験の効果にもよるが、ぜひ引き続きDMOとも連携して運行していただけるよう促していただきたいがどのように考えているのか。

現在この地域と京都・大阪を結ぶ高速バスについては丹後海陸交通が自主運行で実施をされています。海の京都DMOと共同で4月15日から5月31日までの期間限定で天橋立伊根ライナーを運行されたところです。高速バスの増便につきましてもこうした動きが今後も続くよう丹後海陸交通及び海の京都DMOに働きかけていきます。

(5)インバウンド戦略として、現在アジア中心の方へアプローチされていると思います。
これは観光庁が出している一般的なデータですが、アジア圏の観光客の訪日の目的は、テーマパーク・旅館に宿泊、日本食を食べること、ショッピングなどに関心が強いとされ、アメリカなどの欧米諸国を見ると、「自然・景勝地観光」「自然体験ツアー・農漁村体験」などの「自然」や「歴史・伝統文化体験」などに関心が強いようです。

宮津市にはショッピングができる場所やテーマパークはありませんが、世界に誇れる自然や歴史・文化があり、それを存分に生かしていただきたいと思います。

そこで、質問します。「明日の日本を支える観光ビジョン」において、文化財の重要性について触れられています。「文化財」を、「保存優先」から観光客目線での「理解促進」、そして「活用」へ繋げていくとされています。
これはどういうことかと言えば、例えば、ただ単に天橋立ビューランドにのぼって、智恩寺を見て天橋立の浜辺に行くというだけなら1時間程度で終わりますが、そのポイントポイントで、天橋立が出来た理由、股のぞきをする訳、智恩寺にまつわる日本三文珠、九世戸縁起、四軒茶屋などの歴史や食、そして、昔は西国三十三所巡りで、智恩寺だけでなく、籠神社を参って成相寺まで行っていたなどの観光ルートの説明を展示やパンフレット、ガイドを多言語で行うことで滞在時間が伸び、観光消費額が増えると思います。
稼ぐ観光へ繋げていくために、文化財を活用いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
受け入れ整備についての考えをお聞かせください。

市がこれまで取り組んできた重要文化的景観や日本遺産の取り組みは、まさに文化財を観光に活用していく動きです。昨今特に外国人観光客が増加している中で、日本人だけでなく外国人観光客にも守り引き継がれてきた地域の宝を理解していただけるよう市としても文化財を説明するための仕組みについて今後検討していきます。

(★)ここまでインバウンドについて質問を行いましたが、国内の人口減少時代に観光地として生き残っていくためには、覚悟をもってインバウンドを推進していくよりないと思います。海の京都DMOや観光協会、商工会議所と連携して力強く推進いただきたいと考えておりますが、お考えをお聞かせください。

基本的な考え方は議員がお触れの通りですが、人口減少の中で、需要の落ち込みを最大限埋めるものとして日本に沢山来ていただいている外国人観光客の方々、これからますます増やしていくというておりますので、その割合以上に伸ばせていけるように考えていくということは、観光で生きていくという決意を持った宮津市においては、非常に重要であると考えておりますので、まだ現状では外国人観光客の割合は1割程度ですが、これをもっと増やしていけるよう取組んでまいります。

(6)次に、稼ぐ観光の食事処についてですが、農水商工観連携会議において、とり貝食事処や地産地消推進店などの取組が行われているかと思います。以前一般質問を行いましたが、観光案内所で問い合わせの多い魚に特化した買い処・食べ処MAPなど求められるニーズにあった情報発信を行ってはいかがでしょうか。

「宮津農水商工連携会議や海の京都DMOなどの関係機関と検討していきたいと考えている。」とされていたが検討状況はいかがか。

現在観光案内所等で配布しておりますマップにつきまして、宮津まちなかピント会が、宮津まちなか散策マップの中で、ランチ&ナイトマップというもので食事処など紹介されており、こうした既存の情報冊子との連携によるより充実した情報提供について関係機関と調整を進めているところです。

(7)宮津まちなかの賑わいづくりについては、浜町周辺の更なる賑わいの創出に向け、7月を目途に観光客だけでなく地域住民にも喜ばれる飲食と物販を中心とするパイロット事業施設を整備されることとされています。私の願いとしては、浜町に集まり、そこからまちなかへ人の流れができるようにしていただきたいということです。先ほど申し上げた魚の買い処・食べ処MAPもまちなか観光への一つの戦略ですが、ほかにもグルメクーポンなどの活用も考えられます。これも以前に一般質問させていただきましたが、現状を確認してみると宮津のまちなかで使えるグルメクーポンは2店舗のみとなっており、まだまだ少ないのかなと感じます。観光協会に所属している、していないということがあるのかなと推察されますが、お客様にはそれは関係ありません。
市と観光協会と商工会議所の連携を図って、うまくおもてなしができる体制を構築していただきたいと考えますがいかがでしょうか。グルメクーポンが難しければ他の周遊施策などで、商工会議所と市役所と観光協会の3者で協議されていることがあれば教えてください。

議員お触れの通り、天橋立観光協会、宮津商工会議所と市の連携は観光客をお迎えするにあたり、重要なことと考え、宮津市観光推進会議を立ち上げ、観光事業者だけでなく、他産業、各地域も観光市場に目を向けていただくよう連携を深める体制を構築しています。

(★)推進会議を立ち上げられたという話でしたが、各商工会議所や観光協会では、専務理事や事務局長がいらっしゃると思うが、実務レベルでの情報交換をお願いしたい。

観光推進会議においては、啓発も重要であることから、観光に関する講演会も行い、数多くの産業や地域の方にも観光に目を向けていただくという活動が主となっている。議員お触れの通り、実務の方々が集まってより深い議論をすることも重要でありますので、これからも引き続き、そのような会議をもってこの連携を深めていきたいと考えている。

(8)最後にプロモーションについての質問です。天橋立アクティビティセンターがメディアに取り上げられていますが、あれはネットで見つけて取材依頼があったそうです。
天橋立というネームバリューがあるからこそこちらから何も投げかけなくても取材がありますが、逆に考えると、情報提供するだけでもより多くのメディアに取り上げられるのではないでしょうか。地域の新聞以外にも大手放送局など積極的に情報発信するだけでも取り上げられる数は変わってくるかと思いますが、いかがですか。

観光イベントの開催や積極的なプロモーション活動を行うには、経費面のみならず時間や労力、人的な資源に限りがある中で、増やしていくには難しい状況にあります。議員ご指摘の通り、雑誌社をはじめとするメディアなどへの情報提供などお金をかけずにできるプロモーションはあるかと思います。市あるいは観光協会におきましても、従来型の情報提供以外にも出来ることはあるのかなと考えている。これまで市でも年間数十件の雑誌社等への観光情報の提供など行ってきたところですが、今後は、先日実施しましたなみちゃんのLINEスタンプ配信のように新たな話題作りにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

プロモーションに目を向けてもらいたい。この質問をしようと思ったのは、議員活動する中で、地域の方々本当に頑張っていただいており、ほぼ夏はイベント等が繰り広げられている。これ以上イベントで人を呼んでくるのは難しいのかなと思う。しからば観光客を呼んでくるという視点に立つと、市としてできることは細かなプロモーション活動だと考えます。メディアに取り上げられることで天橋立や由良、養老といった地域に行っていただくような情報発信をしていただくことが観光客増や消費額増へ繋がっていくと考えております。お金をかけなくても出来ることはあると思いますので、積極的に行っていただきたい。

人口減少時代に観光地として残っていくためにも、稼ぐ観光にしっかり力をいれて進んでいただきたい。

 

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