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令和4年6月定例会 総括質疑「総合医師確保対策費について」

●令和4年6月定例会 総括質疑「総合医師確保対策費について」

7月22日に行われました京都府議会予算特別委員会・総括質疑にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
・産業創造リーディングゾーン・伝統産業の産地振興拠点の創出について
・「京の食」ブランド総合戦略事業費について
・総合医師確保対策費について

今回は、「総合医師確保対策費について」の質問を掲載させていただきます。
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(質問)
総合医師確保対策費についてお伺いさせていただきます。

京都府における人口10万人当たりの医師数は全国トップクラスであるものの、京都・乙訓医療圏が全国平均を大きく上回っているのに対し、他の医療圏では全国平均を下回っており、地域偏在が大きい状況にあると言えます。とりわけ、丹後地域における医療体制の充実は今なお大きな課題であり、京都府の果たすべき役割は非常に大きいと考えております。

京丹後市立弥栄病院では、毎年150件以上の分娩がありますが、平成18年には医師不足により1年間分娩ができない状況となり、また、平成31年3月に産婦人科医の急逝(きゅうせい)により分娩の取り扱いが制限されました。令和元年6月1日に新たな常勤医が着任されましたが、丹後地域の医師確保について厳しい状況を物語る出来事でございました。

その様な状況の中、京都府では医師確保に努めていただくとともに、晩婚化・晩産化に伴うハイリスク妊娠や、低出生体重児の増加等への対策として、安心して産み育てられる環境を整備するため、平成30年6月に、京都第一赤十字病院、府立医科大学附属病院、京都大学医学部附属病院と、周産期医療体制の強化に関する協定が締結されたところであります。

この協定により、京丹後市立弥栄病院には、京都大学からも協定に基づく医師の派遣を受け、体制をより充実したものにしていただきました。

さらに、府立医科大学附属病院の総合周産期母子医療センター指定を受け、北部医療センターとの連携を強化する中で、丹後地域における安心して産み育てられる環境を維持していただいているところであります。

そこでお伺いいたします。全国的にも産婦人科医師の確保が困難である中、再び京丹後市立弥栄病院で起こったような事態が発生しないよう安定した周産期医療体制の構築が重要であると考えます。西脇知事が掲げられている「子育て環境日本一」に向け、丹後地域で安定して安心・安全な分娩ができるよう、産科医師の確保についてのご所見をお聞かせください。

 

先日、大阪から引っ越してきた私の友人から、出産の際に、救急搬送されることとなり、ハイリスク分娩であったことと本人の希望により、宮津市内から大阪府内の総合周産期母子医療センターへ2時間かけて搬送され、出産したとの話をお聞きしました。ドクターヘリでは、気圧の関係で救急搬送が難しいことから、救急車にて搬送していただいたとのことであります。

これはめったにないケースかと思いますが、丹後医療圏における周産期母子医療センターの人口カバー率は、通常の一般車両での移動時間が30分以内だと59.8%、60分以内だと97.6%となっており、京都府の医師確保計画でも、60分以内にアクセス可能な人口カバー率は 97%を超えていることから、おおむね医療機関へのアクセス性が確保されている状況とされております。

私も先日、子どもが生まれましたが、夜中に妻を病院に連れて行きました。その際にも、やはり病院には近い方がいいと感じましたし、ハイリスク分娩なのであれば、なおさら救急搬送されることがないように、適切な医療処置をしていただきたいと誰もが思うのでないかと考えます。

出産は、24時間365日いつ何があるかわかりません。京都府の医師確保計画では、緊急性及び専門性の高い治療が必要なハイリスク分娩等で緊急対応が必要となるものについては、二次医療圏にとらわれず、府内一円で医療提供体制を構築することが必要とされております。特に、少数の産科医師で対応している病院においては、緊急性及び専門性の高い治療は難しいことも多いのではないかと推察します。そういった病院では、今回の補正予算により導入される妊産婦モニタリングシステムにより、患者情報を他の基幹的病院と共有することで、時期に合った適切な医療処置が可能となります。これは、大変心強いことであり、西脇知事が掲げられる「子育て環境日本一」へ繋がる取り組みであると考えます。

そこでお伺いいたします。
今回の補正予算において、総合医師確保対策費を拡充し、妊産婦モニタリングシステムを導入するにあたり、具体的にどのような取組を進めることで、どういった効果を期待されているのでしょうか。ご所見をお聞かせください。

(答弁)
 丹後地域における産科医師の確保についてでございます。

 丹後地域の産科医師の確保につきましては、これまで様々な対策を実施してきた結果、人口10万人当たりの産科医師数は10.0人と、全国平均の9.3人を上回っておりますが、少人数の産科医師で対応している病院もあるため、安定した産科医師の確保が課題となっております。

  京都府といたしましては、丹後地域を含む北中部地域の医師を確保するため、地域医療機関での従事等を条件とした「地域医療枠」の学生への奨学金制度の創設、北中部地域の勤務経験者に対する府立医科大学大学院の学費免除による若手医師の確保などの対策を行ってきたところでございます。

 また、産科医師につきましては、産科医師などを目指す方への奨学金の特別加算の実施、臨床研修医の募集における産科医師などを目指す研修医に対する優先的な応募枠の設定、分娩を担当した場合の分娩取扱手当の支給 などにより、その確保に努めてきたところでございます。

  さらに、委員御紹介のとおり、京都府、京都第一赤十字病院、京都府立医科大学附属病院、京都大学医学部附属病院による周産期医療体制の強化に関する協定に基づき、京都大学医学部附属病院から京丹後市立弥栄病院に産科医師を派遣しているところでございます。

 今後とも、丹後地域において安定して産科医師が確保できるよう、あらゆる対策を尽くしてまいりたいと考えております。

  

 次に、妊産婦モニタリングシステムについてでございます。

 このシステムは、府域全体において、総合周産期母子医療センターを中心に、地域の中核病院や一般病院が連携し、これらの病院に入院されている妊産婦の状態を共有することで、診療に対する助言や救急時の受入準備等を行うものでございます。

 例えば、丹後地域におきましては、中核病院である京都府立医科大学附属北部医療センターと、一般病院である弥栄病院の2つの病院があります。システムの導入により、総合周産期母子医療センターや北部医療センターが、弥栄病院の妊産婦の状態をリアルタイムに把握をし、産科医師をバックアップすることで、妊産婦が安心して適切な診療を受けることができます。

 また、弥栄病院から北部医療センターへの救急搬送が必要な状態となった場合でも、搬送する前から詳細な患者情報の共有ができることから、速やかな処置を受けることが可能となります。

 京都府といたしましては、今後とも、産科医師の確保に努めるとともに、更なる医療機関の連携を支援し、府内のどこにいても安心・安全に分娩することができる医療体制を確立してまいりたいと考えております。

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