活動報告

産業振興

令和4年6月定例会 総括質疑「産業創造リーディングゾーン・伝統産業の産地振興拠点の創出について」

●令和4年6月定例会 総括質疑「産業創造リーディングゾーン・伝統産業の産地振興拠点の創出について」

7月22日に行われました京都府議会予算特別委員会・総括質疑にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
・産業創造リーディングゾーン・伝統産業の産地振興拠点の創出について
・「京の食」ブランド総合戦略事業費について
・総合医師確保対策費について

今回は、「産業創造リーディングゾーン・伝統産業の産地振興拠点の創出について」の質問を掲載させていただきます。

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(質問)

自民党京都府議会議員団の中島武文です。
通告に従い質問しますので、積極的なご答弁を宜しくお願い致します。

はじめに、産業創造リーディングゾーンについてお伺いいたします。

西脇知事は先の選挙において、産業創造リーディングゾーンをマニフェストにも掲げられご当選されました。登庁式のご挨拶の中でも、「あたたかい京都をつくるためには、活力となる「ゆめ」が必要であり、これから行われる文化庁の移転、新名神高速道路の開通、大阪・関西万博という、まさに京都の発展の機会に合わせ、ハード・ソフト含めたインフラが整備されてく中で、そのインフラを活かし、暮らしやすく、また働きやすいまちづくり、産業創造リーディングゾーンなどによりますます地域活性化につなげいき、「ゆめが実現」できる京都を目指していく。」と力強く述べられています。

これまでの京都府の総合計画では、2040年の京都府社会の姿として、産業振興の分野では、伝統と先端の融合により、「豊かな産業を守り創造する京都府」を実現するとして、京都府北部、中部、南部の特色ある産業に、AIやIoTなどの新たな力、そして、京都経済センターを核に、経済界・大学・行政等が一体となった「オール京都」による強い連携の下で、産業の力を伸ばしていくとされております。それに加え、エリア構想を策定し、府域の均衡ある発展のための指針を示し、エリアや部局間などタテヨコの連携を深め、各種施策を推し進めていただいております。

そこでお伺いいたします。
今回新たに示された産業創造リーディングゾーンは、これまでの産業振興の考え方とどのような点が違うのでしょうか。また、今後、産業創造リーディングゾーンを府内に10ゾーン以上を展開する予定とのことですが、どのような考え方で府域に展開していこうとされているのでしょうか。コロナ禍以降の社会変化を見通し、京都府総合計画の見直しが進んでいるかと思いますが、総合計画にもどのように反映される予定なのかご所見をお聞かせください。

また、推進体制についてであります。令和4年度の推進体制では、各地域の地域特性を踏まえたそれぞれの地域の魅力的な新しい産業を創造するために、企画理事のもと、全体調整を図りながら推進していくこと、有識者によるアドバイザーリーボードを設置し、全体のマネジメントを行っていくことなどが示されました。
この推進体制にこめた知事の思いや、アドバイザリーボードに求めることなど、ご所見をお聞かせ下さい。

次に、産業創造リーディングゾーンに示されている伝統産業の産地振興拠点の創出についてであります。

これまで京都府では、コロナ禍により厳しい状況にある織物事業者を支援するため、シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアムの事業として、西陣・京友禅・丹後の産地連携を進めていただいたり、伝統産業新規展開促進事業費などにより生産基盤に対して心強い支援をいただいたりしております。改めてご支援に感謝申し上げます。

ご承知の通り、織物業でも、コロナ禍によって、課題が浮き彫りとなり、大きな変革を求められていると感じております。例えば、事業者の中には、建材・インテリア分野の売上が、半分程度になっている方もいらっしゃり、和装だけではなく、経営の多角化が進んでいることを実感しております。

また、高齢化や人材不足などで、織機に欠かせない「機料品」が不足し、西陣・丹後の事業者の方々が連携し、安定確保へ向けた体制を構築されようとしております。

コロナ禍や原材料高など厳しい状況が続く中、丹後織物工業組合の総会では、2022年から5ヵ年の産業振興プランを定められたとお聞きしました。

このプランの中では、時代と共にきもの離れが進み、今ではその存続が危ぶまれおり、きもの市場だけに依存する状況を改め、これまで培ってきた織技術や関連技術を活かして、ファッションやインテリアなどの成長するグローバルな市場を目指すことが不可欠であるとし、「世界のテキスタイルクリエーション産地」を目指すとして、将来目標や戦略などが示されております。

まさに、新分野への展開や海外展開が必要な中で、今回の産業創造リーディングゾーンに指定していただき、伝統産業産地振興拠点創出事業を行っていただけることは大変期待が持てるものだと実感しております。

そこでお伺いいたします。
これまでシルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアムの事業として、新分野や海外展開の事業を推し進めていただきましたが、産業創造リーディングゾーンとしてこれまでの事業をどのように発展させていくのでしょうか。また、丹後織物工業組合では産業振興プランを定められましたが、京都府として丹後産地を世界的なテキスタイル産地へ発展させるため、どのような支援を行っていこうとされているのか、ご所見をお聞かせください。

(西脇知事・答弁)

中島委員の御質問にお答えいたします。
産業創造リーディングゾーン(仮称)の推進についてでございます。

京都府では、奥深い歴史や文化を土台に多様な産業が集積しているという強みを生かし、産・官・学の連携のもと、オープンイノベーションに取り組んできた結果、世界的に活躍する企業や産業を生み出してまいりました。

 産業創造リーディングゾーン(仮称)は、中国の台頭など世界的な競争が激しくなる中、更にレベルの高いイノベーションを起こさなければ、京都産業の未来は開けないとの危機感から取組を進めようとするものであります。

具体的には、京都が持つ各種の資源を再評価し、国内外から注目されるテーマを設定することで、スタートアップを始めとする目的意識の高い企業の参加を広く求め、拠点を中心として国際的なオープンイノベーションを展開することを通じて、次代を担う企業や産業を生み出そうとする点において、産業振興施策のレベルをさらに高めることを目標としております。

リーディングゾーンの事例としては、世界最高レベルのシルクの染めと織りの技術を活用した国際的なテキスタイル産地の形成、世界でも珍しい映画・ゲーム・アニメに関する企業が立地する京都の魅力を生かした、メタバース時代をリードするコンテンツ産業の育成、長年の歴史が育くんできた京都の文化を生かした世界初となるアートとテクノロジーを融合した産業の創出などを想定をしております。また、そうした多様なゾーン間での交流も図り、京都でしかできないオープンイノベーションが実現できるよう、現在改定中の京都府総合計画で描く「ゆめ実現」の主要な事業として検討を進めてまいりたいと考えております。

産業創造リーディングゾーン(仮称)の推進にあたっては、テーマが多岐に渡りますことから、企画理事をトップに庁内の関係部局が横断的にチームを組み、常に課題を共有し、関係施策を巻き込みながら取り組むこととしております。

また、アドバイザリーボードの方々には、テーマの選定や、海外とのネットワークづくり、最先端技術を活用するためのシステム構築などに関し、専門的な見地から助言をいただくこととし、世界からも注目される産業創造拠点の創出を目指して、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

次に、伝統産業の産地振興拠点の創出についてでございます。 

昨年4月にシルクテキスタイル市場の世界的な産地となることを目指して、西陣織・京友禅・丹後織物の3産地の組合に加え、京都府も参画して「シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアム」を設立をいたしました。

 設立後、東京の商社からの提案を受け高級インテリア市場の開拓を進めていることに加え、大手住宅メーカーとの新商品の共同開発に取り組んでいるところでございます。

 今年度からは、販売実績もあり外国の方でも気軽に着用できる「HAORI(羽織)」で、国内外の高級ファッション市場にチャレンジすることとし、世界に売り出すためのデザイン開発に取り組むこととしております。

  また、丹後織物工業組合でも本年3月に産地の再構築を目指して、人材育成や交流拠点の整備等の5つの重点プロジェクトを盛り込んだ産業振興プランを策定されたところでございます。

  京都府では、丹後地域を産業創造リーディングゾーン(仮称)の候補地として考えているところであり、プランに掲げられている未来像を共同で創り上げていくため、丹後ブランドの発信や常設ショールームの整備のほか、テキスタイル分野のデザイナーやバイヤーを世界から呼び込むことによるオープンイノベーションの促進など、ハード・ソフト両面から支援をしてまいりたいと考えております。              

 引き続き、丹後地域を世界的なテキスタイル産地へ発展させるため、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 

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