活動報告

子育て支援

令和3年6月定例会 一般質問「子育て環境の充実について」

令和3年6月定例 一般代表質問「子育て環境の充実について」

6月25日に行われました京都府議会一般質問にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
子育て環境の充実について / ・不妊治療のサポート体制について
観光業の振興に対する支援について / ・POSTコロナ社会へ向けた観光振興について

今回は、子育て環境の充実についての質問を掲載させていただきます。

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(質問内容)
自民党議員団の中島武文です。
通告に従いまして一般質問を行いますので、積極的なご答弁を宜しくお願い致します。

はじめに、子育て環境の充実についてお伺い致します。

昨年1月30日に京都府内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されてから1年半が経とうとしておりますが、いまだ収束を見通すことはできない状況が続いております。そのような中、本年4月28日に内閣府男女共同参画局の「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」が報告書を公表されました。報告書の中では、雇用面や生活面で女性に特に強い影響が出ているとされており、ひとつには、「女性に対する暴力」として、DV相談件数が前年同期比で1.5倍になっていることなどについて、ふたつには、「経済」、とりわけ雇用・労働への影響として、女性の非正規労働者に大きな影響がでていることなどについて、三つには、こころやからだの「健康」の面から、女性の自殺者数の増加などについて、四つには、「家事・育児・介護」として、学校の休校等により女性の負担感が増加していることなどが指摘されております。

特に、家事・育児の分野では、1回目の緊急事態宣言の際に行われた家事・育児に関する内閣府の調査によると、男性の場合は家族と過ごす時間が増加した人の方が、そうでない人に比べて生活等に対する満足度が高くなる一方、女性の場合は家族と過ごす時間が増加した人の方が満足度が低くなるという結果が見られました。

また一方で、コロナ禍で深刻化していることが、外出自粛の長期化によって、孤独・孤立で悩む人が幅広い世代等で増加していることであり、政府においても現在具体的な対策が協議されていると聞いております。その中でも特に、子育て世代等の孤立化が進んでいることを懸念しております。

昨年度の子育て環境の充実に関する特別委員会で参考人としてお越しいただいた藤本明美氏によると「NPO法人京都子育てネットワーク」が行ったアンケートでは、自粛期間中2人に1人が子育て仲間や友人と話す機会がないと答えられたとのことです。その背景には、感染予防の観点から対面によるNPO等による子育てサービスの実施が困難になったことや、親同士の交流機会など地域社会との接点が減少したことなどがあるのではないかとお話をされておりました。

先日、私の地元で子育てサロンを運営されている方々にお話をお聞きすると、子育て中のお母さん方は、オンラインでの会話より、実際に対面して、子どもを遊ばせながら親同士で会話をすることを望んでいると話されており、コロナ禍により、以前よりも一層、何気ない会話が出来る場所が求められているのではないかと実感しました。

また、その中で、サロンを運営していくための京都府の補助制度について相談を受けました。子育て関連の補助制度についてですが、まず地域交響プロジェクト交付金は、補助額の下限が30万円ということで自己資金がない団体はそもそも活用すること自体が難しく、また、こどもつながり応援隊事業補助金については、地域に認証団体がないことから、こちらも活用が難しく、いいアドバイスをすることが出来ませんでした。

西脇知事は日頃から、「京都から社会を変えるとの強い思いの下で、全ての子育て世代が京都で子育てをしたいと思っていただけるよう、子育て環境日本一に向けて果敢にチャレンジしていきたい」と仰っています。私も知事と全く同じ思いでありまして、社会を変えるためには、先に述べさせていただいたような、「親同士の何気ない会話が出来る場所がほしい」などといった素朴な声にしっかりと寄り添い、そのような活動が府域の至る所で取り組まれるよう、裾野を広げるための施策が必要ではないかと考えますが、お考えをお聞かせ下さい。

次に、丹後地域の子育て環境についてであります。
丹後地域では、昨年11月に開催されたきょうと子育て環境日本一丹後地域サミットを皮切りに、子育て支援ワーキング会議などを行っていただくなど、振興局を中心として今後の取り組みの方向性を示していただきました。そこには、女性の就業率が高い特性を踏まえて、働きながら育児ができる環境の充実や男性の育児参加の促進、子育て中の親が孤立しないための施策の必要性などが示されています。

今回まとめられた丹後地域における子育ての現状及び取り組みの方向性を確認したことや、前述しました通り、丹後地域には認証団体がないことなど、京都府下でも地域によって子育て環境は大きく違うのではないかと感じるようになりました。

現在、京都府においては、子育てにやさしいまちづくりモデル事業交付金を創設いただき、昨年度は、宮津市と与謝野町の取り組みを採択いただくなど、各自治体の課題に沿った取り組みをご支援いただき、感謝しております。ただ、まちづくり一つを取りましても千差万別あるように、子育てと一口に言っても、その課題は地域によって様々あると思いますので、そうした地域毎の課題を解決するために、どのように広域振興局や市町村と連携して、きめの細かい支援を行っていくおつもりなのか、お考えをお聞かせください。

また、6月3日には、父親が育児等のために休みを取得しやすくする法改正が衆院本会議で可決されました。国全体で男性の育児参加を促していくとのことで、今後、企業の理解が深まることを期待しております。京都府においては、府内企業が、「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」を行うよう取組を進めており、令和3年4月末時点で1,079社が宣言され、全体の約半数でテレワーク導入を掲げられているということであります。丹後における行動宣言企業は25社だとお伺いしておりますが、丹後地域は、機械金属・織物・観光業など、そもそもテレワーク導入になじみにくい業種も多い地域であります。現在、振興局を中心として各商工会議所や商工会への働きかけ等も行っていただいていると聞いており、粘り強い取り組みが必要かと思いますが、この問題は丹後地域だけのものではなく、府域全体の課題であると考えております。子育てにやさしい職場づくりについて、企業理解を得るために今後どのようなことを行っていこうと考えておられるのか、お考えをお聞かせ下さい。

(西脇知事からの答弁)
中島議員の御質問にお答えいたします。
子育て環境日本一の実現についてでございます。

京都府では、令和元年9月に策定いたしました京都府子育て環境日本一推進戦略に基づきまして、子育てにやさしい風土づくり、子育てしやすい地域・まちづくり、安心して子育てできる雇用環境の創出など、従来の子育て支援策や少子化対策にとどまらない総合的な施策の展開を図ってきております。 

こうした中で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う対面による活動の制約などによりまして、子育て世代の孤立化など、子育てを巡る環境については、大変厳しい状況が続いております。

その結果、議員の御指摘にもありますように、コロナ禍が長期化する中で失われている、親同士で気軽に子育ての悩みが相談できたり、何気ない会話ができる「場」や「機会」というものが、子育て世代からより強く求められていると考えております。

 コロナ以前から、人と人とのつながりが希薄化し、子どもや子育て世代と社会との接点が減少しつつあることが言われる中、地域をはじめ社会全体で「子育て」をあたたかく見守り支え合うことの重要性がこれまで以上に認識されたと考えており、今こそ、安心して子育てができる環境づくりをしっかりと京都に根付かせていかなければならないと考えております。

京都府では、これまでから、親子の交流や子育てに関する悩みなどを相談できる「地域子育て支援拠点」を運営する市町村を支援するなど、子育てを見守り応援する地域づくりなどに取り組んでまいりました。

しかしながら、子育て世代が抱える日々の悩みや不安などにきめ細かく対応していくには、行政だけでなく、地域の身近な住民やNPO、更には企業等との連携・協働を進め、取組を更にレベルアップしていくことが重要となってきております。

このため、地域交響プロジェクトでは、「子育て」を重点分野に位置づけ、行政も参画しながら、地域の住民やNPOなどが実施する、親子のあそびの場や体験の場づくり、子どもの学習支援といった自主的な活動が持続的に行われるよう支援するとともに、コロナ禍においても、様々な交流活動が行われるようオンラインを活用するなど、地域の創意工夫による取組を支援しているところでございます。

また、昨年度から取り組んでおります、子育てにやさしいまちづくりモデル事業では、地域の企業や団体など様々な主体と連携いたしまして、公園や道の駅における、子どもや子育て世代の交流拠点の整備や、市町村が保有する廃校跡地等を活用した子どもの居場所づくりなど、ハードとソフトを組み合わせた、交流を起点とした子育てにやさしいまちづくりに市町村とともに取り組んでいるところでございます。

今後さらに、子どもや子育て世代を社会全体であたたかく見守り支える取組をオール京都で推進するために設置した「子育て環境日本一推進会議」に参画する様々な主体と連携し、府全域にこうした取組の裾野を広げ、安心して子育てができる京都づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 また、地域ごとに異なる子育てに関する課題への取組についてでございますが、子育て環境日本一の実現のためには、地域の皆さんが自発的に課題解決に取り組める環境が必要だと考えております。

そこで、各地域の子育て環境の強みや課題を客観的に把握し、データに基づく評価を行うため、「地域子育て環境「見える化」ツール」の開発を進めておりまして、今年度は、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部のモデル事業として、宮津市等とツールの実地検証を進めております。

また、昨年度、全ての市町村からこのツールについての意見を伺う中で、子育てに関する課題解決のためには、広域的見地と現場感覚を併せ持つ広域振興局が、地域の実情に応じて支援する重要性を強く感じたところでございます。

このため、今後は広域振興局と一体となりまして、市町村に対し、各地域への専門家派遣や地域サミット等でのツール活用によりまして、市町村の新たな施策の形成や、子育てにやさしいまちづくりモデル事業の効果検証などを、ハンズオンで支援してまいりたいと考えております。

 また、企業支援の取組についてでありますが、京都府では、子育てにやさしい職場づくりを進めることは、誰もが働きやすい職場づくりにつながり、やる気やモチベーションを高め、企業の生産性や価値向上にも繋がることから、補助制度の創設やスーパーバイザーによる伴走支援を実施してまいりました。 

宣言企業も1000社を超え、時間単位年休の制度化、子連れ出勤ができる環境整備など、具体的な就業環境改善事例も出てきております。 

また、テレワークの導入を促進するため、昨年9月に京都府テレワーク推進センターを設立するとともに、北部地域でもセミナーを開催し、個別企業の相談にも応じております。

現在、ものづくり分野の中小企業におきましても、府の補助金を活用してAIとIoT技術を組み合わせたリモート生産にチャレンジした成果も出てきており、機械金属・織物業などにおいても、テレワーク導入の可能性が広がることを期待をしております。    

さらに、府北部の市町では、テレワーク拠点やコワーキング施設など共同利用できる施設を整備する新しい動きも見られ、単独での職場環境の改善に限界がある中小企業も活用できる施設だと考えております。

引き続き、様々な機関と連携し、オール京都体制で子育て世代をはじめ、誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

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