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令和3年2月定例会 代表質問「医療体制について」

●令和3年2月定例会 代表質問「医療体制について」

2月17日に行われました京都府議会代表質問にて、以下の項目について、西脇知事に質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<代表質問の項目>
医療体制について / ・北部医療センターについて / ・雇用対策について
染織産業について / ・農林水産業の販売戦略について / ・集落営農について / ・水産業について

今回は、医療体制についての質問を掲載させていただきます。

▼答弁内容の趣旨
・現在確保している病床416床のうち、コロナ受入医療機関で勤務する医療従事者の人員体制により、350床が「すぐに使用できる病床」となっておりますが、医療従事者を新たに確保することは短期間では困難でありますので、今ある医療人材を効果的に活用することが必要

・自宅療養の場合には、保健所が感染防止のための注意事項を指導した上で、自宅で安心して療養していただけるよう、毎日の健康状態の確認を電話で行っており、1月末からは、食料品や生活必需品の提供と血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの貸し出しも開始したところ

・宿泊療養の場合には、医師による診察や薬の処方も行われ、看護師が24時間常駐するなど、安心して療養いただける環境が整っている。ご家族と同居の場合、自宅療養では、感染のリスクをゼロにすることは困難であるため、これまでも、原則として宿泊療養施設に入所いただくよう働きかけてまいりましたが、御家庭の事情などにより、自宅療養を選択される方も多くおられる状況

・昨年12月に国による地方財政措置が決定され、保健所での感染症対策業務を担う保健師の人員体制が強化されることとなり、京都府では今後2年間で8名の増員が可能となる。京都府では、保健師の退職者の補充を主な目的として昨年12月に実施いたしました採用試験に加え、今月にも保健所の体制強化を図ることを目的として採用試験を実施したところ

・ワクチン接種に対するリスクとベネフィットについて、府民の皆様に正しく、分かりやすく伝え、ご理解いただけるよう努めてまいりたい

・医療従事者等への優先接種については、医療従事者の移動等の負担が生じないよう、超低温冷凍庫を設置する病院に加えまして、中小規模の病院や接種にご協力いただける診療所にもワクチンを分配し、自院でワクチンの接種を受けていただくとともに、歯科診療所や薬局の従事者も接種できるよう調整を進めているところ

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(質問内容)

自民党議員団の中島武文でございます。
代表質問の機会を、当初予算の審議などで大変重みのある、この2月定例会で与えていただきましたことに、心から感謝を申し上げます。会派を代表いたしまして、西脇知事に質問をさせていただきますので、積極的な御答弁を宜しくお願い申し上げます。

思い起こしますと、昨年は、年明け直後から、徐々に新型コロナウイルスの影響が社会のあらゆる場面に現れはじめ、1月30日には京都府においても、初めての感染者が確認される事態となりました。この後、感染状況は悪化の一途を辿り、4月16日には本府を含む全都道府県に緊急事態宣言が拡大されるなど、人類と新型コロナウイルスとの長い戦いの本格的な幕開けとなったのが、まさに昨年であったと感じております。

そのような中、京都府議会においても、令和2年2月定例会の開会日当日に、新型コロナウイルス感染症対策経費として20億円あまりの補正予算を議決して以来、4月には国の緊急経済対策を踏まえた補正予算を審議するため、近年例のない4月臨時会を開催するなど、毎議会ごとに新型コロナウイルス感染症への対応を行ってまいりました。
11月定例会の閉会日におきましても、年末年始の営業時間短縮要請の協力金等に係る補正予算を議決し、この間、新型コロナウイルス対策として、3000億円を超える対策を打ってきたわけでありますが、1年の最初の本会議、そして1年の最後の本会議で、ともに新型コロナウイルス対策予算を議決するなど、昨年は、この歴史と伝統のある京都府議会においても、まさに、「コロナに始まり、コロナに終わる」1年でありました。

本年も年明け早々から、営業時間短縮要請の延長と補正予算の専決、そして、京都府に再度の緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルスの影響は未だにとどまるところを知りませんが、コロナに始まった本年が、何とか、コロナ以外で終わることができるよう、私ども自由民主党京都府議会議員団も、西脇知事とともに、この難局に対し全力を尽くすことを、ここにお誓い申し上げまして、質問に入りたいと思います。

まずはじめに、医療体制についてお伺い致します。
昨年末から大きな感染拡大が続いている第三波では、感染者全体に占める高齢者の割合が高く、70代以上が約20%となるなど、家庭内での感染や福祉施設などでのクラスターの発生が増えております。本府におきましては、12月21日から京都市内の飲食店への時短協力要請、25日には医師会と共に「命を守る年末年始」との緊急メッセージを発出されるなど感染拡大防止対策を行っていただきましたが、その後、状況は悪化の一途を辿り、1月13日には緊急事態宣言が再発出される結果となりました。
1月19日には、新型コロナウイルス対応分として確保しているとされていた病床720床のうち、すぐに使用できる病床は330床しかなく、うち高度重症病床は38床であると発表され、2月3日に最大確保病床を416床と見直し、すぐに使える病床は350床と拡充されましたが、この発表により府民の皆様の緊張感が高まり、不安が広がったのではないかと感じております。

そこで、感染の拡大が依然として続く中、府民の皆様の不安を払拭し、ご安心いただける医療体制の構築が必要だと実感しております。本府では、緊急的な病床確保策として、下り搬送などの効率的な病床活用や清掃等の業務委託による看護師負担軽減策など行っていただいておりますが、根本的には、重症病床や中等症病床を安定的に確保することに加え、実際に病床を稼働させるために必要となる医師や看護師をはじめとする医療人材の確保に取り組むことが何よりも大切であり、対策を講じる必要があると思いますが、どのようにお考えかお聞かせ下さい。

次に、自宅療養者への対応ついてであります。大変残念なことに昨年末から3名の陽性者が自宅でお亡くなりになられました。そして、お亡くなりになられた方の中には入院が必要となるケースの方もいらっしゃったとのことであります。

緊急事態宣言の効果等により、現在は以前よりは落ち着いてきておりますが、この間の急激な感染者数の増加によって、自宅療養者のピークであった1月26日には宿泊施設が124名、自宅療養910名、調整中が164名となっており、この数字だけを見ましても、大変厳しい状況であったということが推察されますし、自宅療養をされている方が著しく増加しております。

自宅での療養となりますと、やはり皆さん、体調や病状などに不安を感じるでしょうから、自宅にいても適切に病状の相談が可能となる体制の充実や、パルスオキシメーターの貸し出し等により、自宅療養者の不安を速やかに解消するとともに、仮に容態が急変した場合にも迅速な対応が可能となるよう、自宅療養者に対するフォローアップ体制の強化や自宅療養中に感染が広がらないようにする対策の充実も必要だと考えますがいかがでしょうか。
また、自宅療養中に家族などに感染を広げてしまわないよう、無症状の方や軽症者の方が入る宿泊施設についても現在の契約している3施設で足りているのか、また、稼働状況を改善するための施策についてもお考えをお聞かせください。

次に、PCR検査から感染された方の入院や療養先の調整に至るまで、ご奮闘いただいている保健所についてであります。皆様ご承知の通り、その業務は多忙を極めており、その対策として、本府では、市町村の保健師の方々にもご協力いただくことや、派遣看護師による電話相談を行うなど、体制強化や外部委託を進めていただいているとのことであります。また、国においては、保健所の厳しい状況に対応するために、昨年末に発表された地方財政対策の中で、保健所職員の増員への財政措置が示されました。このような状況の中、他県では既に保健師の増員計画が発表されております。本府におきましても、保健師の増員は急務であると考えますが、今後どのように体制強化を図っていこうとされておられるのか、お考えをお聞かせください。

次に、新型コロナウイルス感染症の収束へ向けての大きな切り札として期待されているワクチン接種についてでありますが、本日、2月17日から同意を得た医療従事者4万人に接種し、その内2万人に体調変化や健康状態を報告してもらい安全性調査を実施した後、3月中旬から約370万人の医療従事者などへ接種し、一般の方については、65歳以上や基礎疾患のある人から接種を行うこととされております。
ただ、ワクチン接種については任意のため、府民の方々にお話を聞いておりますと、先行実施している欧米などではアレルギー反応のアナフィラキシー症状などが報告されているとのことで、効果や副反応について不安をお持ちの方が多い印象を受けております。

そこで、本府として府民の不安を払拭するために、今後国内でのワクチン接種の効果や副反応について正しい情報を伝えることが必要になってくると思いますが、プラス面とマイナス面が両方あるワクチン接種について、知事のお考えや思いをお聞かせください。

加えて、実施体制についてでありますが、2月14日に他のワクチンに先立って承認が出されたファイザー社のワクチンでは、マイナス75度の冷凍保管が必要であり、2~8度で輸送し、解凍後5日以内に接種することや21日間の間隔をあけて2度の接種が必要であるとされております。
また、1度に1200回分が送られてくることから、接種の体制を整えることや小分けにし、いかに効率的に配分するかなど多くの課題についての声をお聞きしております。

このような状況の中、本府では、市町村が行うワクチン接種のサポートに加えて、医療従事者等の優先接種を実施していかなくてはなりません。
医療従事者等の優先接種については、感染リスクや医療提供体制の確保の観点により、国の医療機関で先行して実施され、府内では京都医療センターと南京都病院の2病院が対象になっていると伺っております。先行接種された方の健康状況を調査し、その後、都道府県による医療従事者等の優先接種が実施されるとのことであります。

そこで、本府としては、この医療従事者等の優先接種を具体的にどのように行っていこうとされているのか。お考えをお聞かせ下さい。

(西脇知事からの答弁)
中島議員の御質問にお答えいたします。

 医療人材の確保についてでございます。

1月17日に新規感染者数が1日当たり最大となる154人になるなど、1月までは連日100人を超える新規感染者が判明しておりましたが、昨日は17人の新規感染者となり、ここ1週間の移動平均も20.29人に減少しております。また、すぐに使用できる病床の使用率も40.3%となるなど緩やかな減少傾向にございます。

 現在確保している病床416床のうち、コロナ受入医療機関で勤務する医療従事者の人員体制により、350床が「すぐに使用できる病床」となっておりますが、医療従事者を新たに確保することは短期間では困難でありますので、今ある医療人材を効果的に活用することが必要だと考えております。

そのため、コロナ受入医療機関で勤務する看護師が清掃・消毒作業を担っているケースがあることから、看護師に看護に専念いただき、その看護師の負担を少しでも軽減できるよう、コロナ病棟の清掃・消毒を行う事業者を増やすことを目的とした研修会を今月2日に開催したところでございます。              

また、今年度、医師、看護師及び臨床工学技士等41名に対し、ECMOの操作研修を実施し、重症患者に対応できる医療従事者を育成したところであり、引き続き来年度も2回のECMO研修を実施することとしております。

看護師確保については、資格を有しているが、結婚や育児等の関係で勤務を退かれた後、再び働きたいという方を中心に、京都府ナースセンターにおいて、コロナ受入医療機関への紹介を行っているところでございます。そうした方々についても、安心して看護に当たれるように、感染症の専門的知識と技術を有する感染管理認定看護師を育成し、院内の感染症対策を強化をしてまいります。

今後とも、入院医療コントロールセンターを中心に、関係団体や各医療機関と連携し、新型コロナウイルス感染症の患者に安心して療養いただける体制を構築してまいりたいと考えております。

次に、自宅又は宿泊施設での療養についてでございます。

 新型コロナウイルスの感染が判明した際に無症状又は軽症のため、入院加療の必要がない方は、原則、発症日から10日間は、周りに感染を拡げない環境で健康観察を受けながら療養していただく必要があり、その場合、自宅又は宿泊施設のいずれかで療養していただくことになります。

自宅療養の場合には、保健所が感染防止のための注意事項を指導した上で、自宅で安心して療養していただけるよう、毎日の健康状態の確認を電話で行っており、1月末からは、食料品や生活必需品の提供と血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの貸し出しも開始したところでございます。               

 これらの取組により、外出することなく自宅で療養を続けることができ、さらに、保健所が自宅療養者の病状を客観的な指標で把握することで、必要時には入院医療コントロールセンターを通じて迅速に医療につなぐことができる体制が整ったところでございます。

宿泊療養の場合には、医師による診察や薬の処方も行われ、看護師が24時間常駐するなど、安心して療養いただける環境が整っております。       

ご家族と同居の場合、自宅療養では、感染のリスクをゼロにすることは困難であるため、これまでも、原則として宿泊療養施設に入所いただくよう働きかけてまいりましたが、御家庭の事情などにより、自宅療養を選択される方も多くおられる状況でございます。        

2月15日時点で、宿泊療養施設に滞在されている方は3施設826室に対して約21名であり、十分に余裕がある状態でありますので、今後とも、宿泊療養施設の充実した療養体制について丁寧に説明し、利用促進及び効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。

次に、保健所の体制強化についてであります。

京都府においては、これまでに、きょうと新型コロナ医療相談センターによる24時間体制の電話相談や入院医療コントロールセンターによる患者の入院調整を本庁に集約化することで、保健所の業務負担の軽減を図るとともに、7保健所による相互応援や市町村保健師の協力による保健所の体制強化に取り組んできたところでございます。

さらに、昨年11月に、潜在保健師等人材バンクを立ち上げて以降、登録いただいた11名の保健師が山城管内の3保健所で活動しており、現場の保健師が積極的疫学調査などの専門業務に注力できるよう、体制整備を進めてきたところであります。      

 このような中、昨年12月に国による地方財政措置が決定され、保健所での感染症対策業務を担う保健師の人員体制が強化されることとなり、京都府では今後2年間で8名の増員が可能となるところでございます。   

京都府では、保健師の退職者の補充を主な目的として昨年12月に実施いたしました採用試験に加え、今月にも保健所の体制強化を図ることを目的として採用試験を実施したところでございます。                

現在、来年度の執行体制を検討しているところでありますが、今後の感染状況や国の措置内容なども踏まえ、保健所の執行体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

次に、新型コロナワクチンについてでございます。

ワクチン接種は、世界的に流行が拡大している新型コロナウイルス感染症を収束させ、日常を取り戻すための正に希望の光と考えております。一方、副反応への不安やワクチンへの抵抗感から接種を躊躇される方がいらっしゃることも事実でございます。

今回の新型コロナワクチンは、副反応も報告されていますが、それ以上に重症化予防などの高い有効性が示されていることから、先日国により薬事承認され、今後接種が順次進められることになります。

ワクチン接種に対するリスクとベネフィットについて、府民の皆様に正しく、分かりやすく伝え、ご理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。

医療従事者等への優先接種については、医療従事者の移動等の負担が生じないよう、超低温冷凍庫を設置する病院に加えまして、中小規模の病院や接種にご協力いただける診療所にもワクチンを分配し、自院でワクチンの接種を受けていただくとともに、歯科診療所や薬局の従事者も接種できるよう調整を進めているところでございます。

日々府民の命と健康を守っていただいております医療従事者の皆様の安全確保のため、ワクチンが届き次第、速やかに接種を開始できるよう努めてまいりたいと考えております。

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