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令和3年11月定例会 一般質問「丹後地域の振興について(国道178号(宮津市日置・伊根町)強靭化、丹後郷土資料館のリニューアル)」

令和3年11月定例 一般代表質問「丹後地域の振興について(国道178号(宮津市日置・伊根町)強靭化、丹後郷土資料館のリニューアル)」

12月10日に行われました京都府議会一般質問にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<一般質問の項目>
・丹後地域の振興について
・企業立地の促進について
・主要地方道宮津養父線岩屋峠の改良促進について

今回は、「丹後地域の振興について」の質問を掲載させていただきます。

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(質問内容)

自民党議員団の中島武文です。
通告に従いまして一般質問を行いますので、積極的なご答弁を宜しくお願い致します。

はじめに、丹後地域の振興についてお伺い致します。

令和元年に策定されました京都府総合計画は、2040年に実現したい京都府社会の姿として、「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府をめざして」を掲げ、「将来構想」と「基本計画」、「地域振興計画」によって構成されております。その内、今回は丹後地域の振興計画を基に質問をさせていただきます。

丹後地域の振興計画では、概ね20年後に実現したい姿として、「安心して住み続けることができ、希望が持て夢が実現できる丹後地域」としており、この将来像を実現するための施策の基本方向として、3つの方針が示されております。1つ目は、住み続けることができる安心・安全な地域づくり、2つ目は、稼ぐ力の強化による産業振興、3つ目は、地域を支える人材の確保・育成が掲げられております。そして、この3つの方針に基づき、具体的な施策が記載されております。

どの施策も丹後地域の振興にとって欠かすことのできないものであり、重要でありますが、今回はそのうち2点についてお伺いさせていただきます。
まず、住み続けることができる安心・安全な地域づくりという観点から、国道178号(宮津市日置から伊根町間)の強靭化について、お伺いいたします。

平成30年の7月豪雨の際には、宮津市岩戸で累加雨量529ミリを記録するなど、広範囲において記録的な大雨となる中、国道178号沿いにおいては、多数の箇所で、雨量規制による通行止めや土砂崩れが発生し、迂回路も通行不能な状態となったため、宮津市由良地区や養老地区、伊根町が一時孤立し、住民の不安が大きく募る事態となりました。

特に、宮津市日置地区から伊根町間においては、数週間にわたり道路が寸断され、住民生活に多大な影響が生じたところであります。伊根町から宮津市街地へは通常40分程度で行くことができますが、迂回路として経ヶ岬を経由していくことしかできなかったため、約1時間30分程度かかりましたし、高校へ通う生徒は、迂回路経由だとあまりに負担が大きいため、船を活用した通学を余儀なくされておりました。

本年の8月14日にも秋雨前線による長雨により、連続雨量120ミリを超え、宮津市里波見から長江間が通行止めになるなど、国道178号(宮津市日置から伊根町間)の強靭化は地域にとりまして大変、切実な問題であり、地域の皆様からは高い関心が寄せられております。

そこでお伺いいたします。
令和元年6月定例会で、国道178号の強靱化について一般質問を行った際には、規制雨量基準の緩和へ向けた検討を行うことや抜本的な対策について調査をはじめたとご答弁いただきましたが、現在、具体的にどのような調査検討が進んでおられるのか、内容や進捗状況をお聞かせください。

次に、稼ぐ力の強化による産業振興という観点から、丹後の歴史・文化・観光拠点施設となる府立丹後郷土資料館のリニューアルの取組について、お伺いします。
本年9月末から、先月7日まで日本博京都府域アートフェスティバルが開催され、もうひとつの京都エリアのもつ歴史や風土、有形文化財や名勝、景観、豊かな自然や生活文化等を題材としたアートプロジェクトが展開されました。

私の地元、宮津市と与謝野町でも素晴らしいアートプロジェクトを展開いただきました。元伊勢籠神社、旧加悦町役場庁舎などと共に舞台のひとつとなった、丹後郷土資料館の展示を訪れた際には、天平観と名付けられた天橋立の横一文字の全景が一望できる絶好のロケーションに、改めて心を奪われました。

この丹後郷土資料館は、歴史と文化に彩られた丹後地域の歴史・民俗資料の調査研究や保存・活用、発信を行う施設として、昭和45年に地元関係者の要望から設置がなされ、以来、地元の私たちにとっても非常に愛着のある施設であります。
資料館は、国宝「海部氏系図」や重要文化財「丹後湯舟坂二号墳出土品」の「双龍環頭大刀」など、貴重な歴史資料や考古資料を数多く収蔵するとともに、国の重要有形民俗文化財に指定されている「丹後藤織り」などの紡織資料や伊根浦の捕鯨にみられるような漁撈資料など、独特な文化を彩る地元丹後の民俗資料も収集しております。
立地する場所は、古代「丹後王国」の時代から、大陸の玄関口として栄えた丹後国の政治と文化の中心「丹後国分寺」があったところであり、先にも述べましたように天橋立の全景が一望できる絶好の場所にあります。
このように、資料館は、丹後だけでなく「海の京都」エリアにおける歴史・文化観光の拠点としての大きなポテンシャルがあると考えております。

ただ、一方で設置から50年が経過するなか、施設の老朽化が著しく進んでおります。
府議会での私の初めての一般質問で、資料館のリニューアルを求める質問をさせていただきましたが、地域の皆様からも丹後郷土資料館のリニューアルには、大変大きなご期待をいただいております。

そこでお伺いいたします。
丹後郷土資料館については、現在、耐震化や丹後国分寺跡の史跡整備に向けた活用調査など、リニューアルに向けた動きが始まりつつありますが、大きなポテンシャルをもつ丹後郷土資料館の活用を含め、WITHコロナ・POSTコロナに向けた府北部観光や地域活性化をどのように進めようと考えているのか、知事の御所見をお聞かせください。

まずはここまでご答弁を宜しくお願い致します。

(西脇知事からの答弁)

中島議員の御質問にお答えいたします。丹後地域の振興についてでございます。

 国道178号の宮津市日置から伊根町間の強靱化対策についてでございますが、本路線は、丹後半島を一周し、風光明媚な海の京都エリアを代表する観光道路である一方、地域住民の生活に欠くことの出来ない生活道路でもあり、さらには第二次緊急輸送道路として地域の安心・安全を守る重要な役割も担っております。

 しかしながら、平成30年7月豪雨では、丹後半島に2箇所ある国道178号の通行規制区間において、連続雨量が基準を超えたことから、通行止めを実施し、また、国道178号の宮津市日置地区や、その迂回路となる府道が被災いたしました。
これらにより、伊根町と宮津市・京丹後市を結ぶ全ての道路が通行止めになり、伊根町が2日間に渡り完全に孤立し、地域の生活に重大な影響を及ぼしました。

このため、被災した道路等の災害復旧を行うとともに、国道178号の宮津市里波見から伊根町高梨の通行規制区間のうち、伊根町側約5㎞については規制区間から外すとともに、宮津市側の約2.6㎞については連続雨量の基準を緩和できるよう、法面対策を実施してきたところでございます。 

加えて、近年頻発する豪雨災害に備え、更に安全性を高めるため、いくつかの追加工事を行ってまいりましたが、今年度末に全て完了する見込みでございます。通行規制につきましては、学識者や警察等の関係機関で構成する検討会を開催し、令和4年度出水期までに見直す予定としております。 

また、規制の残る宮津市里波見から長江の2.6kmの区間につきましては、抜本的な対策を実施することとしており、美しい若狭湾の景観に配慮しつつ、緊急輸送道路としての安全性・信頼性を高め、雨量に影響されず通行できるよう、来年度の事業着手に向けた事業評価などの準備を進めているところでございます。 

国道178号の強靱化の実現に向けて、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策予算」を活用し、早期に整備できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 

また、丹後地域につきましては、京都府の南北軸を形成する京都縦貫自動車道などの交通基盤や、人々を魅了する自然景観などを最大限に生かし、地域の活力につなげていくことが極めて重要な課題であると考えております。 

そのため、丹後地域振興計画において、「安心して『元気』に住み続けることができ、希望が持て夢が実現できる丹後地域」を将来像に掲げ、地域の特性や資源を生かした地域づくりを進めてまいりました。 

具体的には、海の京都DMOによるインバウンド誘客や、文化に触れる機会を創出するアートプロジェクトの実施などに取り組み、平成25年とコロナ前である令和元年との比較では、観光入込客数は約60万人、観光消費額は約12億円それぞれ増加し、また、毎年100人前後の移住につながるなど、成果も上がってきております。 

そうした中、議員ご紹介の丹後郷土資料館につきましては、教育委員会と連携をし、そのポテンシャルを生かして、丹後地域の魅力を更に高め、地域づくりを牽引できるような施設となるよう、現在実施している耐震診断の結果も踏まえながら、その機能等について検討してまいりたいと考えております。 

まだ、イメージの段階ではありますが、例えば、館内に収蔵されております、丹後国一宮である籠神社宮司家海部氏に伝わる国宝「海部氏系図」、湯舟坂二号墳から出土した国指定重要文化財「金銅装双龍環頭大刀」、江戸時代に大庄屋を務めた農家の住宅を移築復元した府指定有形文化財の「旧永島家住宅」など、丹後の歴史や生活文化を今に伝える「本物」の魅力を、更に深く味わっていただけるような仕掛けを検討してまいりたいと考えております。 

また、あわせて、国宝「天橋立図」に描かれ、天橋立が最も美しく展望できると言われる丹後国分寺跡や、旧永島家住宅を含むこの区域全体を生かした、丹後が誇る豊かな「自然」や「食」を満喫することができる周遊拠点としても検討してまいりたいと考えております。 

今後とも、こうした丹後の地域資源を生かした取組を推進し、丹後地域に新たな魅力と価値を生み出し、地域の活力の向上につなげてまいりたいと考えております。

(答弁への返答)
ご答弁いただきました。

まず国道178号宮津市日置から伊根町間強靭化に関してですが、規制雨量基準の緩和について令和4年出水期をめどに見直すよう議論を進めていただているとのことで、大変ありがたく感じておりますし、抜本的な対策についても来年度の事業着手に向け検討を進めていただいているとのことでこちらも大変ありがたく感じております。この区間は、世界で最も美しい湾クラブに加盟し、モンサンミッシェル湾と姉妹湾提携をした宮津湾・伊根湾沿いを走っており、天橋立から伊根町へ行くことのできる唯一の国道であることから、観光客や観光バスはもちろんのこと、最近ではサイクリングを楽しむ方も増えており、通行量が年々増えていると実感しております。そういった観点からも、サイクリングなど素晴らしい景観を楽しまれている方々にも配慮した安心・安全な道路に一刻も早くしていただくことを心からお願い申し上げます。

丹後郷土資料館のリニューアルについては、これまでに様々な考え方がありましたが、コロナ禍などで以前と前提条件が大きく変わっていると考えております。ぜひ西脇知事・西脇府政のもとで、WITHコロナ・POSTコロナに向けた府北部観光や地域活性化の未来像を描いていただき、早期に着手いただくことを心からお願い申し上げます。

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