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令和6年6月定例会 代表質問「最先端の地域医療を提供するための拠点づくりについて」

令和6年6月定例会 代表質問「最先端の地域医療を提供するための拠点づくりについて」

6月定例会にて、以下の項目について、質問しました。
質問内容と答弁内容を掲載しますので、ご覧ください。

<代表質問の項目>
①魅力ある地域づくりと担い手確保対策について
②中小企業支援と丹後地域の産業振興について
③最先端の地域医療を提供するための拠点づくりについて
④防災減災につなげる森林整備について

今回は、「最先端の地域医療を提供するための拠点づくりについて」の質問を掲載させていただきます。
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次に、最先端の地域医療を提供するための拠点づくりについてお伺いいたします。

本年4月13日に府立医科大学大学院医学研究科の北部キャンパス地域医学コースの開講式が北部医療センターにて行われました。地域医療に従事しながら研究を重ねる拠点として開設され、1期生として医師5名が入学されました。これまで府北部で勤務する医師が京都市のキャンパスで博士号(はくしごう)を取得するのは地理的にハードルが高くありましたが、今回の新たなコースが開講されたことで、若手医師にとっては将来、海外留学などのキャリア選択の幅が広がることにつながり、定年退職をした専門医についてもリスキリングが可能になります。開講式での入学生代表挨拶では、「高齢化が進む地域だからこそ、現場で直面する課題に真摯に向き合うことで先進的な研究を世界に発信できる。地域に貢献し、不可欠な存在となれるよう全力で取り組む」と決意を述べられました。

これまで私たちの地域は、過疎高齢化が進み、医療従事者の確保も難しい地域であると悲観しておりましたが、この決意をお聞きし、これから日本全国で過疎高齢化が進む中で、先進的な研究を行える地域であり、将来的には北部キャンパスを看護師や薬剤師らを含めた様々な職種の人材育成の複合拠点として「知の拠点」化を行っていきたいという府立医大の方針に、とても希望を感じることができました。北部キャンパスに隣接する府立看護学校も、令和9年4月に1学年当たりの定員を40名から60名に増員し、整備する計画が進んでおり、過疎高齢化が進む地域において、このような取り組みが日本全国の同様の地域に明るい希望を届けられる先進的な取り組みとなるよう心から期待しております。

 そこでお伺い致します。これまで府北部地域の医師確保対策として、京都府では、地域医療機関での従事等を条件とした「地域医療枠」の学生への奨学金制度の創設、北中部地域の勤務経験者に対する府立医科大学大学院の学費免除による若手医師の確保などの対策を行っていただいてきましたが、今回の北部キャンパス地域医学コースの開講により、府北部地域の医師確保にもつながると考えております。京都府と府立医科大学が一層連携し、安定的に医師確保がなされるとともに、北部医療センターを最先端の地域医療が提供され、また学べる「知の拠点」へと進化させていただきたいと考えておりますが、ご所見をお聞かせください。

次に、「知の拠点」化に向けた中核施設となる北部医療センターの整備についてであります。

北部医療センターの整備にあたっては、令和3年度から予算を計上し、検討を進めていただいてきました。引き続き、令和6年度当初予算でも、「北部医療センター地域医療連携機能強化検討費」を計上いただいたことに心から感謝申し上げます。北部医療センターは、北部地域の中核病院として、丹後医療圏の医師確保や高度急性期から急性期の医療を担っているだけではなく、最近では、宮津市と連携し、医療MaaSの実証実験が行われるなど、診療所医師が少ない丹後地域の在宅医療をも支えていただいており、地域医療を確保する上で重要な役割を果たしていただいております。

一方、病棟をはじめ築後45年以上を経過し、老朽化が進んでいることから、今後の医療需要、疾病構造の変化も見据えた整備が必要であります。「知の拠点」化に向け、最先端の地域医療を府北部地域で提供していくために、北部医療センターの整備は必要不可欠と考えておりますが、ご所見をお聞かせください。

次に、救急医療体制についてであります。

令和4年度から、救急搬送体制や救命救急センターなどの三次救急医療体制のあり方について検討が進められてきました。本年4月には、京都第二赤十字病院と宇治徳洲会病院の2病院が府内初の「高度救命救急センター」に指定され、救命救急センターは、京都大学医学部附属病院と京都府立医科大学附属病院が新たに追加指定されたことで6病院となりました。救急医療体制が充実・強化されたことは大変喜ばしいことであり、多くの命が救われることを心から期待申し上げます。

また、救急搬送体制については、府内に基地病院を置くドクターヘリの導入可能性について検討を進めていただいているところです。特に、京都府保健医療計画にも記載がありますが、ドクターヘリの運航については、北部地域においてセーフティネットが一重のエリアがあることから、重複(ちょうふく)要請や多数傷(たすうしょう)病者(びょうしゃ)発生(はっせい)事案等への対応に課題があると指摘されております。

そこでお伺い致します。
府北部地域でも救急搬送が増加しているとのことですが、府域全域で救急搬送体制を強化していくためにどのようなことが必要になってくるのか、ご所見をお聞かせください。

(答弁)

最先端の地域医療を行う拠点づくりについてでございます。
議員ご紹介のとおり、府立医科大学においては、本年4月に北部医療センターに大学院医学研究科博士課程である「地域医学コース」を開設し、地元で勤務する医師5名の入学があったところでございます。
の5名は、大学在学中も非常に優秀で、熱心に学業に取り組まれたと伺っており、志を持って府北部で勤務し地域医療の最前線で活躍されているとのことであります。
こうした地域医療を担う人材が、直面する課題に向き合って研究活動を行い、その成果を地域医療に還元する環境が整ったことは、大きな成果だと考えております。

一方で、北部地域の持続的な医師確保の課題は残っていることから、北部医療センターにおける地域医療体制のあり方を研究テーマとした講座開設に関する予算案を今定例会に提案させていただいており、地域で不足する総合診療医や小児科医の育成を図ることとしております。

今後とも、府立医科大学と連携し、北部医療センターの「知の拠点」化を進めますとともに、看護師などを含めた医療人材育成の拠点として機能強化を進め、地域医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。 

 次に、北部医療センターの整備についてでございます。
 北部医療センターが北部地域における中核病院としての役割を果たしていくためには、老朽化が進む施設・設備の整備や、少子高齢化の進展による医療需要・疾病構造の変化への対応などが重要だと考えております。
これまで、院内に地元自治体や経済界なども参画する「病院機能検討会議」を設置し、北部医療センターが担うべき機能についての検討を進めており、北部地域における中核病院としての役割、大学附属病院としての教育・研究機能の充実、新興感染症への対応、災害拠点病院としての機能強化などに関して、御意見をいただいているところでございます

また、令和6年度当初予算において計上した「北部医療センター地域医療連携機能強化検討費」では、丹後医療圏内の6病院が参画し、北部地域における病院の役割分担や病院間の連携、人材育成・確保を強化していくための調査・検討などを実施していくこととしております。

京都府といたしましては、こうした検討の内容も踏まえながら施設整備に着手できるよう、検討を進めてまいりたいと考えております。


次に、府内の救急医療体制についてでございます。

 府内の救急医療体制につきましては、全国と比較して搬送時間が短く、搬送困難事案の割合も低い状況にありますが、府北部地域をはじめ、搬送件数自体が増加傾向にあることや、都市部に比べ、中山間地域においては、搬送時間を要しているなどの課題がございます。
救急搬送件数の増加に対しては、救急あんしんセンターきょうと事業♯7119による救急受診の必要性などの電話相談体制を構築し、また、搬送時間に関しては、救急現場においてリアルタイムに搬送先の空床情報等を把握できる救急医療情報システムなどを活用し取り組んでいるところでございます。

しかしながら、今後、府全域で救急搬送体制を強化していくためには、広域的な搬送体制の更なる充実が重要になると考えております。

 その中で、ドクターヘリにつきましては、特に中山間地域など搬送時間を要する地域における救急患者の初期治療や二次医療圏を越えた広域搬送において利点が大きいと考えております。         

 現在、関西広域連合で共同運航しているドクターヘリに加え、府内に基地病院を置くドクターヘリの導入可能性についての検討を進めているところであり、今後とも、府域全体での救急医療体制の充実・強化が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

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